すねてる
まさかお茶も出すことができないなんて。あたしどんな生活してるんだろう。少し考え直さなくちゃ…
「で名前。これなんやけど」
白石が出してきたのは2枚の紙。一枚は要綱でもう一枚は出席校についてだった。
「…え、これこないだと同じメンバー?」
「そうや。立海青学氷帝や」
「げ。氷帝だけ省けないかな…」
「何あほ言うてんねん。で、持ってくものなんやけど…」
白石の長い話が始まった。あたしは話を聞きながら千歳をチラっと見た。げ、すごい不機嫌そう
「名前きいとるん?」
「は、はいっ聞いてます…」
白石に怒られるなんて。千歳はほっといて真面目にきこう…
▽
「まあ大体こんなんや」
「じゃあ合宿前にドリンクの粉買っとけばいいんだよね」
「ん。レシートオサムちゃんに出して部費もらえばええから」
「わかった」
「…さてと、ほら千歳!機嫌直し!」
「………」
「はは、おもろいなあ。ま、用も済んだし帰るわ。もう邪魔せんから」
「……早くかえるばい」
「はいはい。それじゃまた。名前その紙なくすんやないでー」
「な、無くさないよ…」
バタン
白石は風のように去っていった。っていうかもう千歳があたしのこと好きなのバレバレなんだ…
「…千歳」
「……」
「何すねてるの」
「…名前が白石と喋ってるからばい」
「…あのねえ…」
重症だ。簡単には直んないだろうな。あたしは諦めてテレビをつけた。休みだしなんもやってないなー
「…名前」
「…んー」
「明日一緒に帰るばい」
「…うん」
「そしたら当分名前にあえん」
「え?…あ、そっか」
「さびしか…」
「…そっか」
その日は千歳のためにあたしがごはんを作ってあげた。