3人でサボり
「え、そうなの?」
「うん」
「へえ〜あんたも千歳君もモテるなあ」
「あたしはモテてないから」
「健君変なやつやったけど、ちゃんと数にはいるんやで」
「…そうですね…」
昨日の話を聞いてあたしの気分はあまり明るくはなかった。でもあたしは何に対して不満があるんだろう。そんな自分がますますわからなかった。
「で、千歳君の返事は?」
「断ったって」
「へ〜。あんなかわええ子から告られてもなお無愛想な名前を選ぶとは…。愛やな」
「…失礼だよ。」
▽
今日はとってもいい天気。あったかくてぽかぽかして、こんな日はサボるに限る。
「(サボろう…)」
あたしは愛子に適当なことを言うと、いつもの屋上へと向かった。
▽
ガチャ
戸をあけて、千歳がいるのはいつものこと。でも今日は別のサボリ魔もいた。
「財前君…何してるの」
「先輩こそ」
「……」
「名前、くると思ったばい」
「…なんか今日は暖かかったから…」
財前君と千歳はごろん、と地面に大の字になってたから、あたしもそれに混ざってちょっとだけ昼寝をした
「…名前先輩、かわいいっすね」
「名前はわたさんばい」
「ちゃいますよ。別に俺は名前先輩いりませんて」
「…ま、名前ぜんぜん俺ん事見向きもせんばい」
「これだけ堅い人なんやからそんな簡単にいきませんて」
「…お前いつから俺が好きなのしってたと?」
「さあ。見てたらわかりましたけど」
「憎たらしい後輩ばい」
はっと目を覚ますと千歳と財前君が楽しそうに話してる。あれ、この二人こんなに仲良かったっけ?ちょっと疑問に思いながらあたしはそのまま寝続けた