テスト週間


「………なにこれ」

「……伝言」

「返事なんてしたくない」

「……………」



跡部にメールだなんて、自らワナにかかるようなものだ。絶対メールしたくないと思ったけど、なんだか伝言を任された謙也が気の毒になってきた。



「……は―、侑士になんて言えば…」

「…まあ謙也は関係ないんだし、跡部が文句言ってきたらあたしに言って」



最近謙也には厳しくあたってばかりだったから少しだけやさしくしてあげてあたしはすぐに教室に戻った。教室に戻ると皆やけにピリピリしたムード。そう、今日から期末テスト週間なのだ。みんな受験生だしね、テスト頑張んないとやばいもんな



「名前―!!勉強教えて!!」

「愛子……勉強してるの?」

「当たり前やん!ただでさえバカなんやし」

「へえ………あ、白石も」

「あいつ普通に頭ええのに勉強するんやで」




白石の机をのぞくとどうやらテスト勉強ではなく早めに出された夏休み課題をやってるようだった。


「白石、なんで夏休み課題やってるの?」

「名前もやっといた方がええで〜。夏休みまた合宿やし」

「何それ…聞いてない!」

「あ〜まだ言ってなかったかもなあ…」

「先に言ってよ!…あたしも課題やろ」











テスト週間になったので、部活も休みに入った。あたしも早く帰って勉強でもしようかな…



「名字さん」


振り向くと特に仲よくもないクラスメイト。急に話掛けられたから少しドキッとした。



「何?」

「あの、千歳君が呼んでるよ」

「千歳…?」



ぱっと教室の入口をみると今にも頭がドアの上の部分にぶつかりそうな巨人がいる。あたしは小走りで千歳に駆け寄った。



「千歳」

「名前」

「どうしたの?」

「…一緒に帰るばい」

「へ?」

「あ…、もう誰かと約束しとっと?」

「ううん、してない。帰ろ」

「じゃあ門でまってるばい」




そういえば部活がない日って部活の皆とは帰ってなかったもんな。ていうか今日は最初から最後まで千歳と二人でかえるってこと?なんか緊張しちゃうなあ






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