謙也の目撃
俺は見た。この目ではっきりと。昨日名前と別れたあとコンビニ行くために街にいったらみたんや。
「名前と千歳が付き合ってる?」
「ほんまやて!!」
「なんや謙也〜寝ぼけたんとちゃう?」
「せや、小春の言うとおりや」
「ねっ、寝呆けてへんわ!名前と千歳がててて手つつつつないどったんや」
「どもりすぎや」
「ヘタレっすわ」
「だーー!うるさいわあほ!」
昨日コンビニから出ると名前がやけに下向いてあるいとったんや。せやから声かけよう思たら名前が偶然千歳にぶつかってそんで手つないでゴニョゴニョ・・・・・あ―信じられへん!こっちが恥ずかしくなってきたわ!
ガチャ
「………こんにちは」
いつもどおり無愛想な挨拶をして名前が部室に入ってきた。いまあんまりあいたないねん。この名前が…あの千歳と…あ―ありえへん!!だめや、本人には死んでも聞けへんわ
「名前、千歳と付き合ってるてほんま?」
「死ね白石!!!」
「………?ちがうけど」
あほな白石の質問を何事もなかったかのように受け答える名前。しらばっくれてもあかんで!ネタはあがってんねん………
「名前ちゃん千歳と手つないで歩いてたてほんまなん?」
「…………誰が言ったのそれ」
「「「「謙也」」」」
「だ―!!指差すな!!!」
「…………謙也どっかいって」
「………………………ハイ」
あかん怖すぎ。名前めっちゃ怖いわ(言われた通り外に出た俺はヘタレや…)
「謙也?なにしとるばい」
「あ…、千歳…」
「中入らんと?」
「……千歳ってもしかして名前と付き合ってるん?」
「え?あ〜、だといいけんね〜」
「え、なんやそれ…」
「部室はいるばい。どいて」
「あ、ハイ…」
さっと部室のまえからどくと、千歳は俺を放置して部室に入っていった。
「……………ようわからん」