疎ましいわ


白石くんの左腕の包帯をみて、わたしはずーっと自殺志願者なのかと思ってた。だから隣の席になったはいいけど何をはなしたらいいかわからなかった。彼を横目でみると、なんだかキラキラしててさ、皆にちやほやされて、一体なにが不満でしにたいの?っておもった。彼に声をかける日はこなかった。彼も私には声をかけてこない。わたしも彼も、まるで違う世界にいる存在みたいだった。わたしはただただ、彼への憎しみがつもっていった。この、幸せ者が、甘ったれ、そんな言葉ばかりが頭を埋め尽くす。わたしはこの白石蔵ノ介が嫌いだった。私の中の、何かが狂い出す。そんなある日、白石くんの左腕は自殺の証ではないことがわかった。いまさら、遅い。いまさら、いまさら。ずっと仲間だとおもって、いたのにな。



羨ましかった、だけなのに。

2011.07.19


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