ふたりだけ 雪が、降っていた。私はベンチに、雅治と座っていた。誰もいない公園。薄暗い空。そして、唯一光を灯してる、雪。私は雅治の小指を、少しだけつかんだだけ。そのまま、なにも話さないで、ただそこにいた。言葉はないけど、なんだか、涙が出そうになった。ほら、みてもう、世界にふたり、ふたりだけ。ずっと、ふたりだけ。