一番欲しいもの



最近雅治と連絡とってないなあ、元気かなあ、と思ったのは12月3日。それから雅治のことを色々考えたのだけれど、そういえば明日って雅治の誕生日だって気づいたのは3日の夜11時。やってしまったと思ったけど、冷静に考えて、今更日付が変わったと同時にプレゼント!なんて無理だと確信した私はごろんとベッドに横になる。一応雅治と付き合ってるけど、
最近は受験やらなんやらで全然連絡をとってなかったのだ。雅治もわたしも、
変に淡白だからこんな風に間が空くことが多かった。はたからみたら、本当に付き合ってる?って疑問が出るほど。でも一応気持ちは通じてるだろうし、お互い付き合いはじめた時依以来、好きとかそういう愛を囁くことはなかった。しかし連絡を取らなくなってはや一ヶ月。そろそろ私にも若干の不安がではじめて。さあ、どうしようか。
「って言っても、もうプレゼントは
無理だし…」
ていうか彼氏の誕生日忘れる彼女って。まあ仕方ないか私だし。こんなうだうだなやむのも私らしくない。
「ここはストレートに、いくかな」




明日は俺の誕生日。因みに彼女とは一ヶ月連絡をとっていない。心に穴が空いてる気分である。あいつと連絡を取らないのは珍しくはなかった。元々淡白なやつだし、そういうとこが好きだった。多分あいつは気づいてない。俺はあいつが死ぬほど好きだ。フられたら、学校行かなくなるし、ご飯も喉を通らなくて、多分そのまま衰弱死するだろう。でも、そんな重い愛情はあいつは求めていないのだ。悲しい。悲しい、、、多分、俺の誕生日も忘れているのだろう。まさか俺が、あいつから連絡があると思って、今日一日、明日のお誘いメールでも来るんじゃないかと期待して、ずっと携帯を握りしめているなど、あいつは思いもしないだろう。ああ、なんか虚しくなってきた、、ああ、ああああ、
ピピピピピピピピ
急に携帯が鳴る。まさか、と思った。俺は携帯をばっと取り、画面を見た。メールだった。電話じゃなかったのは気にしない。メールを開いて、それから、少し時間がたって、俺は自分が涙を流しているのに気が付いた。そのメールはあいつからだった。そこには、明日のお誘いもなければ、俺の誕生日を祝う文もなくて。でも、今俺が一番欲しかった言葉が、そこにはあった。メールを送信したのは12時10分。件名はRE:。決して丁寧なメールではないけれど、でもそれがあいつらしさであって、やっぱり俺はあいつが好きなんだと、思った。



2011/12/04 sun.
RE:

好き


ーENDー


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