まじっく
「(新幹線は、白石君の横。白石君の横。白石君の横。)」
呪文のように心の中でつぶやいた。絶対白石君の隣になりたい!!
「(絶対男装時の横、男装時の横、男装時の横!!!)」
絶対男装時の隣の席、ゲットや!!!
『白石君!隣すわってもいい!?』
『男装時!隣すわってもええか!?』
…ん?
なんだこの妙な三角関係は
「お、俺はええけど…」
「な、なんで俺の横なんだよ、謙也」
「あかん!?てかなんで白石の横なん!?」
「いっいいじゃん別に!」
「なら俺もええやろ!」
「…なあ、じゃあ謙也が三人席の窓側、真中に苗字、通路側に俺、でええやろ?」
白石君の提案で話がまとまった。ていうか何なんだこのプチ揉め。
「(よっしゃ男装時の隣!寝顔みたい!)」
「(白石君の隣ー!うれしい!)」
「(苗字、自分から俺の隣来てくれたわ、うれしいなあ)」
・
・
・
ぐあー
があー
ごおー
「謙也うるっさい…」
もう謙也のいびき!本当うるさい!なんなんだ一体!
「しゃーないなあ、謙也のやつ。昨日眠れなかったんとちゃう?」
「こっちまで寝れねえよ…」
「…苗字、肩、かそか?」
「…え?」
肩…白石君の、肩…
…え
「い、いいいいいいのか?!」
「ああ、寝心地わるそうやし、枕にでも使って」
「…あ…ありがとう…」
どうしよう、うれしい…白石君の、肩…
「ドーゾ」
白石君は、ポンポンと自分の右肩をたたいた。はあ…そんな姿もかっこいい。もう、やっぱ私だめだ
「…白石君、」
「ん?」
「俺、白石君が…」
は!!!!!!!!!
なんだ今の!思わず口からぽろっと出るとこだった!!!白石君が好きだって!!!
「俺が、なんや?」
「な、なんでもない!」
「変な奴っちゃなあ」
「へ、変でいいもん!」
「なんやねん」
呆れて笑う白石君もかっこよかった。ああ、恐るべし白石マジック…