男と女




庭に出ると、案の定千歳がいた。俺は赤く染まる顔を隠しながら千歳に近寄った




「…千歳」
「ああ、白石。なんね」
「ちょお来てほしいんやけど」
「へ?」



マヌケな顔をする千歳の腕を引っ張って、部屋へ戻る。そこにはまだベッドの上で爆睡してる苗字がいる





「…男装時?」
「…話してたら、寝だしてん。持って帰ってや、こいつ」
「…ああ、よかよ」




千歳は何の不審なそぶりもしないで苗字を持ち上げる。千歳は難なく持ち上げて、その身長差に余計苗字が女みたいに見えた









「ああああああもう!あかん!」
「わっなんね白石」
「なんもないわ!はよ帰れや!」
「な、理不尽やねー」




千歳はぶつぶつ言いながら部屋を出て行った。…あかん、あかんわ、ほんまに俺…






ガチャ




「白石ーただいま!」
「…ユウジ」
「何しとるん?暇なら俺と小春の新しいネタみる?」
「…なあ、ユウジ、男を好きになるって、どんな気分なん?」
「は?」






俺、やっぱホモやねんな、…はあ












「…ん」



あれ…私…寝てた…?起き上がるとそこは自分の部屋で。しかも隣で千歳がテレビをみながらケラケラ笑ってる。あれ?私、白石君の部屋にいたはずじゃ…








「…あ、おはよーさん」
「…おー…」
「ど?もう目ば覚めたと?」
「…うん、今何時?」
「12時。夜の」
「もうそんな時間かあ…」




お風呂入って、歯磨きしなきゃ、ベッドから降りて、洗面所へ向かう








「…あ、なあ千歳、俺どうやってここに来たか知ってる?」
「ああ、俺が運んだばい」
「え?」
「男装時が白石の部屋で爆睡して、俺が運んできたばい」
「うそ…ご、ごめん。重かったろ?」
「全然。それより」




トン





背中が、壁につく。目の前には、千歳。え、どういうこと








「…千歳?」
「男装するのは結構、無邪気なのも結構、ばってん、自分が女だってこと忘れたらいけんばい」
「…え…」
「寝てる時に、白石にどっか触られてたらどうすっと?胸なんて触られたら終わりばい」
「そ、そんなこと、白石君はしない…」
「なして?あいつも男たい」
「…そんな…」
「もちろん、俺も、何するかわからんとよ」
「……千歳の、」
「ん?」
「千歳のばか!」






ドン!






私は千歳をドン!と押して、そのまま勢いで部屋を出た。なんだよ!千歳の馬鹿!なんだよ、急に、急にさあ、







「…男の子、みたいに…」






いや、皆男だけどさ。…確かに、私も認識が甘かったかもしれない。そう思った途端、下腹部がキリ、と痛んだ。嗚呼、私はやっぱり女だ、と改めて思った



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -