キモい


適当に進路調査表を書き終え、じりじりとあがってゆく気温。もう夏だ!





「ほな、来週東京いくでー」






四天宝寺は無敵と言えるような強さで府大会で優勝した。本当にこんなに強いんだなあ。私はというと、白石君に釘付け。かっこいい…!かっこよすぎる…!特に、試合が終わると必ず私のもとへ来てくれていた。それで私は必ずタオルを渡すんだ。たったそれだけだけど、幸せだとおもった。




「東京?なんで?」



皆が一斉に私を凝視する。なんか変なこと言った?





「あほか!全国大会や全国大会!」
「男装時ったらあ、ボケにもならんで!」





ああ、全国大会かあ…。そっか、東京でやるんだね。別にボケたつもりはないんだけどな。小春を少しだけ睨んでみた。



「しっかりしてや、マネージャーの仕事も沢山やで」
「う、ん。俺、がんばるよ!」






そういうと、白石君が少しだけ笑った。だから私も思わず笑い返した。(多分、こんなやりとりも、男の子同士ではしないはず)




「全員要項まわっとるかー?しっかり読んでくるんやで」



よし、白石君のためにも、みんなのためにも、頑張ろう!











「…………」



1週間の東京滞在。




「………よっしゃあああああああ!!」



あかん、頭ん中薔薇色や。男装時とお泊まり!1週間も!あかん、めっちゃ楽しみ!せや、これも一つの機会やし、男装時に関する細かな情報聞き出したろ。そんで俺と男装時の仲はより深まって…。





「わああああかん!楽しみすぎてあかん!」
「謙也さん、キモいっす」
「ざ、財前!いいいいつからそこに!」
「5分くらい前から」
「声かけろや!俺独り言言ってまったやん!」


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