ガコンガコン




私は財前君からバッと紙袋を取り上げた。え?もしかして財前君、









「…どこまで知ってるの?」
「全部ッスけど」
「………」
「アンタあれですよね、春休みに白石部長に会いに来た女」
「…え、もしかして、あのときいたの?」
「そりゃいますって。俺一瞬でわかりましたもん、アンタがあの時の女やって」
「…………」
「ま、最初は部長の熱烈なおっかけファンかとか思いましたけど、なんや男装までしとるし、まあ理由は知らないッスけど、中途半端な気持ちじゃないってことはだんだんわかってきましたよ」
「………財前君、このことは」
「言わないですよ、俺そないに性格悪ないッス」
「…そうか?」
「……。ま、俺千歳先輩とはちゃいますんで、アンタの尻拭いとかしませんから」
「え、千歳が知ってるってこと、知ってるの?」
「見てたらわかりますもん、だってあの人、」
「……?」
「…なんでもないっす。」
「…?う、ん」
「ま、そういうことなんで」
「…うん」



財前クンが言いかけたことはなんだったのかわかんなかったけど、とりあえず言いふらす危険はないんだな、うん。良かった。いや良くないけどね。










財前君が出て行って、洗濯機の音が鳴り響く。なんだか複雑な心境で、私の心に嵐が吹き荒れた。



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