わかんない!
「千歳が…退部…?」
耳を疑った。謙也、何いってるの?本当?
「…なにそれ、冗談?」
「ほんまやって、さっきオサムちゃんから聞いたんや」
「…え…なんで?」
「さあ、外側からテニスみたいやらなんやら…」
「…ていうか」
なんで皆、そんなに冷静なの?
「私、千歳探してくる」
「やめとき、男装時!千歳ならどっか出かけるいうてたで!」
「なんで?なんで千歳が、退部するの?」
なんで、私、こんなに気が動転してるの?なんで、みんなは冷静なの?
私が、おかしいのかな
「…苗字」
「…白石君…」
「やめる続けるも、千歳の問題や、俺らがどうこう言う必要は、ないで」
「…え…」
白石君の目は、いつになく真剣で、あんな目を向けられたのは初めてだったから、
なんだかとても怖くなった
・
・
「……ふう…」
私はあの後、夕飯も食べずにホテルの大浴場に来ていた。もちろん女湯だよ。なんかもう自棄になっちゃって、周りも気にせずに女湯に入ってしまった。いろいろ考えたいことがあったから、いいんだけど…後のこと考えると、バカなことしたなあと思う。どうやって外に出たらいいかな。誰にも見つからなければいいんだけど、
「…やっぱり、ちがうなあ」
皆、本当に真剣にテニスしてて、私みたいな、白石君のおっかけまがいな奴は、皆と通じ合うことは、できないのかな、
「…千歳、なんでだよ、ばか」
もうよくわからん