こっち向いてよ




ガチャ

「だだいま」
「あ、何処行ってたんだよ千歳」
「んーそのへん」
「適当だなあ…」




千歳がのそのそと部屋に入ってきた。こいつほんとにどこいってたんだ






「あ、俺さー、今回は部屋についてる風呂入るから」
「あー、わかったばい」
「あと、荷物は勝手に見ないでよね」
「はいはい」
「私が着替える時は、外にでてよ?」
「はいはい」
「寝るときは、絶対なんにもしないでね」
「はいはい、もうよかよ」


千歳はポン、私の頭をたたく。あ、そういえば、いつの間にか女ことばになってる自分がいる。やっぱり、千歳は私の中で結構心を開ける存在になってる






「千歳が白石君だったらなあ」
「は?」




そうすれば全部楽なのに。いやでも、千歳を恋愛対象外に見てるからこそ、こういう態度がとれるわけで、やっぱり白石君は特別なんだと思う。






「…おなかへった…」
「もう夕飯ばい、確か一階のレストラン集合ばい」
「レストランかあ…豪華だなあ」






私は千歳と一緒に部屋を出て、レストランへ向かった。そこにはもうみんな集まってて、謙也が自分の席の横を私の為に空けて待ってた




「男装時の席はここやで!」
「はいはい、ありがとな」




謙也の横に座ると、そこは必然的に白石君の隣になった。うわあドキドキ。





「…それにしてもさ、謙也って俺のことすげー好きだよなあ」
「え。ええええ!?な、なんでやねんあほ!」
「なんだよ、だってそうだろー」
「ちゃ、ちゃうねん!!お前はと、と友達やで!」
「は?」




なんか会話が通じなかったから、謙也を無視してごはんを食べ始める。ハンバーグおいしい…




白石君のほうをチラリと見たけど、黙ってご飯を食べている。なんか、話しかけた方が、いいかな…?





「し、白石君、」
「ん?なんや?」



あ、いつもの白石君だ




「この人参、食べる…?」
「え?もしかして嫌いなん?」
「う、ん」
「はは、ええよ、貸して」





白石君は私のお皿からにんじんをとった。普通に話したけど、やっぱり私と白石君の目が合うことはなかった。



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