なんでやねん!




「男装時、クーラーいれるけどよか?」
「………んー」
「28度じゃあつかと?」
「………んー」
「…おい、名前」




どきん。
何それ、不意打ちだよ。私はベッドでだらんと伸びて、さっきの白石君のことをずっと考えていた。千歳の話なんかほとんど耳に入ってなかったのに…




「ばか、名前呼ぶなよ」
「誰もいないばい」
「そういう問題じゃない」
「で、何へこんどると?」
「…え」





千歳は、私の隣に腰掛ける。





「…また、千歳に頼っちゃうかも」
「ま、いいんじゃなかと?別に俺嫌じゃなか」
「…でもさ、…でも…」
「なんね」
「…わからん、自分がわからん」




千歳は隣でくつくつ笑っていた。むっかー




「で?白石がどげんしたと?」
「な、なんで白石君だってわかるんだよ」
「名前がへこたれてる時は大体が白石絡みばい」
「…そだね」




千歳にはかなわないと思った。




「さっきさ、新幹線降りた時は、白石君俺のことじーって見てきたのにさ、クジの後、俺と目も合わせなくて…なんか、ショックで…。部屋のことも、大して関心ないらしいし…」
「…へー」
「反応薄」
「ま、いいんじゃなか?」
「適当だな、お前が聞いてきたんだからちゃんと答えろよ」
「この返事は、保留ばい」
「…は?」




千歳はそういうと部屋を出て行ってしまった。もう!なんなんだよー!まあ、自由時間だからいいけど…















「白石ー、冷蔵庫にあるプリンは俺のやからな」
「はいはい」




ユウジはジュースやらプリンやらを冷蔵庫に放り込んでいる。…はあ、なんでユウジと同じ部屋にならなあかんねん、それが本心だった




「…はあ」
「ため息つくなや白石!ため息つきたいのは俺の方や!」
「え?」
「俺…小春と同じ部屋が良かった…」
「……せやなあ…」





ま、仕方ない。もし自由に部屋割組んだら、ユウジは小春とすんなり同じ部屋になれると思うけど、俺とか謙也とかは苗字と部屋割もめてまうからな、あかん部長や






コンコン




「…誰やろ?」



ガチャ





「…あ、千歳か」
「よ、…この部屋さむかねえ、クーラーは28度がベストたい」
「なんか用なん?」
「…白石に、一言言いに来たばい」
「…?」




千歳に連れられ、廊下へ出る。ユウジに聞かれたくない話なんか?





「ま、率直に言うばい」
「ああ…」
「男装時と、部屋変わってやってもよかよ?」
「……え」




俺は一瞬ドキっとしたが、すぐに冷静になった





「なんでやねん」
「それは白石が一番わかるんじゃなか?」
「…なんでや…」
「…俺は男装時のこと、誰よりも知ってるばい」
「…え…?」



「まあ、謙也も素直ばい、自分の感情素直に出しちょる。ある意味、お前よか男装時に近かよ」
「さっきから何いうてるん?」




「…あんまりぐずぐずするなってことばい」








千歳はそれだけ言うと、部屋へ戻って行った。あかん、全然意味わからんかった。





「…なんやねん、ほんま」





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