お前へんだぞ



良く寝た。起きたらそこはもう日本の首都である東京だったわけで、隣ではスッキリ目覚めた謙也が東京タワーにはしゃいでて、私はそれをぼーっと眺めていた。東京はお父さんの仕事にくっついて行くときとかに、よく行ってたし、そんなに珍しいものじゃなかった。



「謙也、お前イビキうるさかったんだぞ」
「え、ほ、ほんまに?」
「ほんとほんと!おかげで中々寝付けなかったし、なあ白石君!」
「………」
「白石?」
「白石君?」
「…あ、すまん、なんでもないわ」





白石君が、変だ。なんか、私が起きた時から変だった。じーっと、ひたすら私の方を見てるのだ。もしかして、寝てる間に、私なんかしくじったか?






「ねえ、千歳千歳」
「ん?なんね」
「俺さ、寝てる時なんか寝言とか言ってたか?」
「いや、特には」
「…だよな」
「なんかあったと?」
「いや…白石君がなんかおかしいんだよ」
「どげんふうにおかしかと?」
「俺の方、ずっと見てるんだよな、なんかよくわかんないけど」
「…ほー」
「なんだよ」
「なんもなか」



千歳は良くわかんないまんま荷物を持って改札を出た。ついでに私の荷物も持ってってくれるところが、千歳なんだと思った


















「東京タワーや!みてみ小春!」
「ほんまや!通天閣とは比べ物にならへんなあー」




東京タワーを見て無駄にはしゃぐユウジと小春。やっぱみんな関西人だなあと思った。








「みんな、今からホテルいくで、道せまいし車に気つけてな」
「「「はーい」」」




白石君を先頭にして、これから宿泊するホテルへと向かう。




「男装時!!お、おおおお俺が荷物もったるで!」
「んーいいよ別に」
「な、なんでや!」
「俺荷物くらいもてるって」
「貸して」



謙也と言い争ってたら、ひょいと肩が軽くなる。白石君が私の荷物を持ったのである



「え?し、白石君?」
「んー?」
「俺荷物持てるって」
「ええのええの」
「いや、良くない…」






白石君は私の荷物を持って、もくもくと歩く。











「…なんでだ」


白石君、なんか変じゃない?




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