同意です





「明日、退院らしいな」






弁当を食べていたら、柳が教室に入ってきて、俺に声をかけた。その言葉に気をとられているうちに、ブン太が「すきあり!」と俺のデザートの林檎を奪っていった。なんなんじゃこいつは。








「ああ、そうらしいのう」
「退院おめでとう、と言ってやりたいが、記憶の方はまだらしいな」
「怪我はよくなった、てことじゃ。でもまあ、よく俺に気をつかっとる。心配かけないように」
「あいつらしいじゃないか」







ピピピピ







滅多に鳴らない俺の携帯が鳴った。






苗字名前







名前が表示されて、びびった。まさかメールがくるとは。病院じゃないんか?








『いま、退院したよ。ちょっと予定が早まったの。明日から学校に行きます。よろしくね』








そんなシンプルな内容に、ひとまずほっとしてみる。そうか、退院したのか。わざわざメールが来たことに、ちょっとした喜びと期待を覚えたが、まあ毎日のように見舞いに行っていた相手だ、メールくらいしても当たり前か








「ん」
「なんだ?…ああ、退院したのか」
「え?名前?」






柳に携帯を渡すと、ブン太もどれどれ、と携帯を覗きこんだ。








「あいつも、いつもの生活してれはそのうち思い出すだろい」






いつもはアホなブン太だが、今回ばかりは俺もその言葉に賛成だ。本当にそうなってほしいと思った。




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