ずっと、ずっと



俺は苗字名前と付き合っていた。お互い好きで好きで…それは変わらない事実だ。でももうそれは過去で、今はもう、あの時の名前はいない。今はもう、俺のことだけすっかり忘れた名前がそこにいる。クラスで、友達と楽しそうに笑う名前を見るたび、安心するような、悲しいような、そんな気分になった。多分もう、名前は俺のことを思い出さない。俺に恋愛感情を抱くこともない。名前と手をつないだり、抱き合ったり、キスしたり、そんな日々はもう二度と来ない、どう考えると思わず目に涙がたまった。

ある日、名前が隣のクラスの男に呼び出された。名前を呼び出す男なんて前だったら俺が追っ払ってたけど、もう今は俺にそんなことする資格はない。俺は全く気にしない素振りで机に突っ伏した。見たくなかったから、目を閉じて、現実から逃げた。しばらくして、名前が戻ってきたらしく、女子たちから黄色い声が上がった。


「ねえ名前、いまの告白でしょ?返事は?」
「確かサッカー部の子だよね、結構かっこいい」
「いいな〜うらやましい!」




「…断わったよ」







俺はゆっくり目を開いた。






「え、なんでまた…」
「んー、なんでだろう。…よくわかんないけど、」













「私、一生恋とかしないと思う」









その瞬間、涙が出た。名前は、俺への愛が歪む前に、綺麗なままでいたいから、俺を忘れるって言った。そんなの意味ないと思った。俺のこと忘れたら、意味ないって思った。でも違う、名前はどこかで俺のこと覚えてるんだ、







それはずっとずっと、綺麗なまま









永遠/END 2012.01.23



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