おあずけな誕生日


私の彼氏はかっこいいかっこいいとモテはやされることが多い。だけど私はそうは思ってない。私の彼氏、仁王雅治は













「かわいいとおもう…」
「なんじゃいきなり」







こたつに二人で入りながら、みかんを食べる、日本らしい冬の一場面。もう12月、もうすぐ雅治の誕生日だ










「だから、雅治ってさあ、かわいいよねえ」
「……嬉しくないぜよ」
「だって肌とか真っ白だし、ほっぺたぷにぷにしてるし、」
「………」
「怒った?」
「怒ってない」





そういうと雅治はクシャクシャと私の髪の毛をなでる。










「もー雅治かわいい」
「しつこいぜよ」
「はは、ごめんって」
「みかん没収」
「あ、やだ!」
「ならもうかわいいとか二度と言わんことじゃな」
「それは、無理」
「………」






だって可愛いんだもん、仕方ないじゃん、というと雅治は少しムっとした顔をした。あ、これもまた可愛いんだよねえ




「ましゃは、…あ、かんじゃった」
「なんなんじゃましゃはるって」
「だから咬んじゃったんだって」
「俺はましゃはるじゃなか」
「あ、でもかわいいね、ましゃはるって」
「しつこい」
「まあまあ、ねえ雅治、なんかほしいものある?」
「ほしいもの?」
「もう誕生日でしょ?」
「んー、特にはなかよ」
「えーつまんないつまんない」







雅治の方を見ると、なんだか少し暑そうだった。









「雅治、あつそう。炬燵きる?」
「あー、うん、きる。」
「はい、きったよー」







あれ。今度は寒くなってきた。よくあるよねこういうこと。











「ねえ雅治、寒い」
「…そうじゃな」
「炬燵入れていい?」
「炬燵は厭じゃ」
「え?」
「…ベッド入りたい」
「………」
「名前、きて」
「あ、ちょっと」









されるがままに雅治にベッドに押し込まれる。最初はヒンヤリした布団にぶるりとしたが、二人で入っていると、そのうちほくほくしてきた









「あ、あったかい」
「名前、ぬくくてちょうどいい」
「私は湯たんぽじゃないの」
「はいはい」
「……雅治、猫みたい…」
「………」
「やっぱりかわいい…」
「まだ言うか」






そしたら雅治にまるで仕返しをするかのように、冷たい手を服の中に入れられた。思わず「ひゃっ」とか変な声が出てしまう










「何じゃ、さそっとるん?」
「ううん、誘ってない」
「残念じゃ」
「こら雅治、手抜きなさい」
「んー…やだ…」






なんだかそのまま雅治の手が下着の下まで入ってきた。くすぐったい








「こら、胸揉まない」
「えー」
「えーじゃなくて、っていうかやっぱ雅治可愛い…」
「だからしつこいぜよ」
「だって…あっ」
「仕返し」
「やだ、やめなさい、ほらお手」
「俺犬じゃなかよ」
「じゃあ、おあずけ」
「………」
「続きはまた、今度ね」






しゅんとなった雅治はやっぱり可愛かった。雅治かわいいね、って言おうとしたら、また「ましゃはる」って言っちゃった、可愛いなあもう




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