気のせい



「知ってる人も多いと思うけど、こっちは九州から来た千歳千里。で、こっちが苗字男装時。ちなみに苗字はマネージャーとしての入部や」








白石君によって紹介される私と千歳。ていうか、でこぼこすぎだろ。これじゃ余計私が女にみえちゃうよ。










「は、はじめまして。苗字男装時です。えっと…マネージャーがんばるので、よろしくお願いします」









ば、ばれませんようにばれませんように…。この隣にいる大きな人にはもうばれてるけど…








「なんや女みたいやな、自分」
「え!?」






ばれたのか?と思い、思わず大きな声が出る。声をかけられた方を見ると、ヘアバンド
をした男の子。







「お、俺は男だぞ!」
「それにしても、女顔やなあ」
「な…っ」
「ユウジ、人の気に障ることいったらあかんで」








彼はユウジというらしい。間に入った白石君のおかげで、なんとかその場はおさまった。









「俺一氏ユウジ。よろしくな」
「…よろしく」






私はムスっとして返事をする。可愛げないなあ。いや、あったら困るんだけども。





















テニス部に久々にマネージャーがやってきた。もちろん、男。男じゃないと問題起きるからな。ほんま女は怖いわ。そんなこんなで苗字をマネージャーに入れたんやけど、ほんまに女顔やなあ、って思う。小春とかユウジが騒ぐ理由もよくわかる。それに












「…なあ、苗字」
「な、何?」
「俺、お前と前どっかで会ったことあらへん?」
「え………気のせいじゃない?」
「…せやな、気のせいか」








どっかで見たことあるような…。でも全然思いだされへんわ。ま、俺の気のせいやな


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