ばれないで!



「これ…よろしく頼む」






私は一枚の入部希望届けを白石君の目の前に突き出した。








「ほんまにマネージャーやってくれるん?」
「お…おう!」
「ありがとうな、助かるわ」







そういって、ふわりと笑う白石君にドキドキしながら私は話を聞いた





「ほな、今日の放課後テニスコートに来てくれるか?」
「ああ、わかった」
「よろしくな」







し…白石君と喋っちゃった…。嬉しいなあ。よし、今日からマネージャー、がんばろ!








.




.






「あら、可愛い子がおる」






テニス部の部室前をうろうろしてたら、坊主の男の子に言われた一言。か、可愛いって…ばれた!?






「ばっばかやろ!可愛いとか言うなっ」
「ふふ、怒ってもかわいらしいわあ」
「な…!」








なんだこの人…!思わず反論しようとしたら、後ろから肩を叩かれた







「よ、男装時。ほんまにテニス部入ってくれるん?」
「あ…!忍足君…!」
「謙也でええって」
「け、謙也、こいつが変なこと言ってくるんだよ」
「あ?小春か?」
「なあ謙也、この可愛い子知り合いなん?」
「ああ、同じクラス。転入生の苗字男装時や」
「へえ〜テニス部入るん?」
「…まあ一応。マネージャーだけどな。」






雰囲気的にこいつはテニス部部員らしい。私のこと、気付いてないよね?






「こないに可愛らしい子がマネージャーしてくれるん?」
「小春、こいつは男やで」
「わかっとるわ。でも、可愛らしい顔やねえ」
「まあ、確かにせやな」
「う…うるさい!失礼だな!」





私は謙也と小春って人から後退りをすると、誰かにぶつかった。






どんっ



「ひゃっ」
「なんや変な声だして」
「し、白石君…!」






そうか、こういうときも、ひゃあなんていっちゃいけないのね…






「なにしとるん?はよ部室入りや」
「だって二人が…!」
「なあ白石、この子可愛らしい顔しとるよなあ?」
「え?」





ぎゃあ!余計なこといわないでよ!







「まあ…せやな」
「もういいから!」






お願いだからばれないで!



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -