なんて幸せなんだろう



ついに転入の日がやってきた。私のクラスは三年二組。皆と仲良くできるかな。とりあえず私は東京からの転入生ということになっているらしい。お母さん、理事長さんにどんな説明したのかな。先が思いやられるなあ…







「じゃ、しばらくしたら入ってきてね」
「はい」






先生の言葉により一層緊張が増す。うわ、どうしよ、恥ずかしい。ドキドキしてきた。ていうか、男言葉男言葉。気をつけて喋ろう。











「じゃ入って」







ガラ





先生の合図に合わせて私は教室に入る。みんなの目が集中して私を見てくる。うわあ、どうしよどうしよ、女の子はともかく、男の子がこんなに…っ












「は、はじめまして。…東京から来た、苗字男装時です。よろしく」









お母さんに教えられた名前を口のにすると違和感満載だ。











「じゃあ苗字君の席はあの金髪の子の隣ね」
「金髪?…あ…」







あの子、テニス部の…!









「あ、あんときの見学者!」
「け、見学者って…」







もっと違う形で呼んでほしかったな…







「なんや同じクラスやったんやな」
「ああ…そだね」
「ほら、白石もおるで」
「え…」








金髪君の隣を見ると、そこには白石君が。








「…あ!」
「はは、驚きすぎやろ。よろしくな」
「よ、よろしく…!」











どうしよう!白石君と同じクラス!…やったあ!
























「なあ、自分ほんまにテニス部はいるん?」
「え」









それから3回休み時間がおとずれた。すべての時間、私は女の子からのさまざまな質問に答えつつ、授業の支度をした。そして三度目の休み時間。私に質問してきたのは白石君だった










「…うん、…まだ考えてるけど」
「ほな、もし入るんやったらいつでも言ってな、入部届け渡すから」
「ありがとう」









…やばい…なんて幸せなんだろう。あの憧れの白石君と会話できるなんて。ずっとこんな日々が続けばいいのに。






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