見つけて
今私が男の恰好をしてるのはなんでだっけ。あんだけ悩んだ理由はなんだったっけ。
「俺女の子好きやで?」
そんな馬鹿な
「だ…だって白石君、前雑誌のインタビューで女の子苦手って…」
「それもファンクラブの子抑えるためやし」
「お、俺がマネージャーなるっつったとき男なら大歓迎とかって…」
「せやから女の子だとファンクラブの子たちのイジメが」
「…う…うそぉ…」
そんな…私の今までの努力はなんだったの?髪も切って仕草も話し方も全部変えて。必死に男の子として白石君と仲良くなろうとして。全部無意味なことだったってこと?
「ど、どないしたん」
「…………」
ショックで前を向けなかった。なんだか頭の中が真っ白になってしまった。白石君も心配そうに私のほうを見つめている。
どうしようどうしよう
「…し…白石君はさ、」
「え?」
「その…気になってる女の子いるっつってたじゃん」
「ああ、春休みに部活見に来てくれた…」
「その子に会いたいとか思う?」
「…まあ、そりゃもう一回会いたいわ」
「そっか」
涙が出そうになった。たった一瞬だったけど、確かにあの時の私は白石君の中に存在してるんだ。今すぐにでも本当のこと言って、女の子として白石君と接したいけど、もう少し待ってみよう。今度は私ばかりが追いかけるんじゃなくて
白石君が私のこと見つけてくれるまで