真実
「ついたで」
しばらく白石君と大阪の街を歩き、辿り着いたのは白い壁のお洒落なケーキ屋。店内には美味しそうなケーキが並んでる。た、食べたい…
「………」
「どしたん?入るで」
「な…なんか、恥ずかしい」
「え?」
「お、男二人でこんな可愛らしい店とか…」
まわりから見たら、ちょっと気持ち悪いよな。中3男子が二人でケーキ屋…
「…ま、大丈夫やろ」
「え?」
「多分、苗字て女っぽいし、カップルみたく見えるんちゃう?」
「……な…っ」
私は一気に赤面したが、冷静になって白石君の背中を殴った
「ばかやろ!お、俺は男だ!」
「はは、はいはい」
ゆるゆると笑いながら白石君は店内に入っていった。あ、入っちゃった。もう気にしても仕方ないか。俺たちはテーブル席に案内されて、水が運ばれてくる。白石君はフルーツタルトを頼んだ。わ、どうしよ、迷う
「俺は、えーっと、どうしよ」
「ゆっくり選び。じゃあとりあえずまた後で注文します」
そう店員さんに言うと、白石君は手拭きを配ってくれた。気が利くなあ。
「ほい、手拭き」
「あ、ありがとう」
「どれにするん?」
「チーズケーキもいいんだけど、いちごのタルトも食べたくて…」
メニューとにらめっこしていると、白石君がクスクス笑った。
「…なんだよ」
「いや、おもろいな思て」
「…うるせ」
多分今顔は真っ赤なんだろうな。どんな悪態ついても説得力がなさそうだと思った。
・
・
「わあ―…」
しばらくすると白石君のフルーツタルトと私のチーズケーキがきた。美味しそう。まさか白石君とケーキが食べれるとは思わなかったなあ
「いただきまーす」
「いただきます」
わ、おいし。これなら何個でも食べれるかも!
「………ん?なに?」
「いや、うまそうに食べるな思て」
「あ…」
やば、恥ずかしい。
「し、白石君てさ、よくこういうとこ来るのか?」
「いや、よく来るわけじゃないで?前彼女ときただけや」
「…彼女?」
「おん」
「し、白石君彼女いたのか?」
「ああ、おったで、結構前やけど」
「白石君て女の子苦手じゃねえの?」
「え?」
白石君はきょとんとした顔をした。え、なんだよその反応
「まあ苦手っちゃ苦手やな。そういえば苗字には言ってなかったわ」
「な、なに?」
「テニス部にはファンクラブがあってな、その女の子たちがテニス部のマネージャーいじめたりしててん」
「い……いじめ…」
そういえば聞いたことあるような
「せやから、女の子苦手やねん。また正しくはファンクラブのこ達やな。」
「え…じゃあ白石君は別にホモってわけじゃねえの…?」
「ぶっ!な、なんやねんホモて!」
白石君は吹き出して口を手拭きで拭いた。白石君はホモじゃないの?
「俺はちゃんと女の子好きやで?」
え?