ほもなんです
学校は一気にテストモードになった。部活も自粛期間に入り、私は今までの分を取り返すかのように勉強に励んだ。
「…おい、謙也いつまでねてんだよ」
目の前には、ぐったりとうなだれている謙也。
「お前授業中も寝てただろ、いいのかよそれで」
「俺今めっちゃ眠いねん」
「…お前、もしかして体調悪いのか?」
「え」
「朝から顔色悪いと思ってたんだよ」
「あ、いや、それは」
「テスト終わったらすぐに部活始まるし、体調悪いなら保健室行っとけよ」
「あの」
そうか、謙也のやつ体調悪かったのか。はやく保健室連れてかなきゃ、マネージャーの仕事の一環!
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なんで俺今保健室におるんやろ
「…あ、あの」
「なんだ、先生いないのか。とりあえずフトンで寝とけよ」
「え」
「ほら、俺が寝付くまで傍にいてやるから!」
男装時がにっこり笑いながら俺の背中を押す。言えない、昨日徹夜でゲームしとったなんて。それにしてもめっちゃかわいいなコイツ。こんなときに難やけど、
「ほんまに俺大丈夫やで?」
「無理するなよ、お前顔色悪いもん」
「いや、無理ちゅうか…(徹夜…)」
「ほら、早く寝ろよ」
ていうか傍にいられたら余計寝れへんちゅーに。ていうか保健室で。なんというシチュエーション…
「わ――――――!」
「ぅわっなんだよ急に、」
「ちゃ、ちゃう、ちゃうねんてほんまに」
「何言ってんだよ、早く寝ろよ」
あかん!ほんまにちゃうで、俺ホモちゃうで。ていうかなんていう想像しとんねやろ。ただの変態やん、寝よ。もう寝よう。すべて忘れよう、精神統一…
寝れへん
ていうか男装時のやつ、出て行く気あらへんやろ、俺がフトン入ってからもう結構たつのに。チラ、と男装時の方を見てみたら、そこにはコクンコクンと首を揺らしながら眠っている男装時の姿が。
「…あほやなあ」
自分が寝てどないすんの。俺は上半身だけ起こして、男装時をしばらく眺めてみた。それにしても、相変わらず長い睫毛やなあ。最近髪も少し伸びてきたし、ほんまに、
「…ほんまに、女の子みたいやな」
あかん、口にだしてもた、あかんあかんあかん。ほんまに俺変態になるで、ほんまに
ほんまに、あかんのに、
「…かわいい」
気づいたら彼女の頬に軽く触れるだけのキスをしていた
「…俺ほんまにホモやな」