壇君と性転換


私は山吹中の一年生。幼馴染はテニス部のマネージャーの壇君。ずっと一緒に彼と行動をともにしてきた。幼稚園のころから一緒に登下校し、一緒に遊んで一緒にご飯を食べて、まるで一心同体のような感じだ。そしてもうひとつ、特別なことがあった。私は彼のヒーローだった。女の子のような外見とその身体つきからよく彼はいじめにあっていた。そしてソレを助ける役はいつも私だった。昔から背が高くて、男の子みたいな顔つきをしていて、壇君と比べたら私のほうがよっぽど男らしかった。「何泣いてるのよ」「いじめにあったの」「何かされたの?」「ぱんつ、とられた」「…」「本当は女なんだろって言われた」「…壇君は男の子でしょ」「そうだよ」「でも私のほうが背高いよ」「いいな、うらやましい」「いいでしょ」「うん、いいね」「じゃあ私が壇君を守ってあげる」「本当?」「うん、嘘ついたら針千本飲むよ」「じゃあ、約束だよ、絶対」そんな口約束をしてからもう何年経っただろうか。壇君は男子生徒の仲でも特に背が低い。一方私はもう中一の時点で身長は160に届いていた。そしてそのまま成長は止まることを知らず、男子に匹敵するほどの身長になった。ずっとバレー部だったから、髪の毛も短くて、本当に男みたいだった。一方壇君はまったく成長しなかった。高校に入っても彼は背は伸びず、女の子のような顔つきをしていて、そこらの女子よりもかわいかった。いじめに遭ったときはいつも私が助けてあげていたから、少し甘える癖も出てきていた。だけど私はそんな彼をかわいいと、いとおしいと思った。本当の女の子のように思っていた。私は彼が好きだった。いや彼女を好きだった。彼女もまた、僕のことを好きだった。嗚呼早く結婚して赤ちゃんがほしいね、いったいどちらがお母さんになるのかな、もはやもう正確な区別もつかない。君は僕の大切なお嫁さんなんだ



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