ドッペルゲンガーと不二


度々僕の目の前に現れるソレ。僕と同じ顔をしているのに何か違う。本質的な何かが違う。だけどこれだけは言える。僕よりも濁っていない。僕のドッペルゲンガーというより、僕が彼のドッペルゲンガーのようだ。にやりと笑う姿は恐ろしい。きっと周りの人たちには似すぎている一卵性の双子、とでも見えているのか。生憎僕には双子はいない。ねえ、君はいったい何をしているの。本物の僕は僕なのに、君ではないのに、なぜそんなにも濁りが無い。君はいつも僕に直接話したりしようとはしなかった。いつもいつも、僕の目の前に現れて、少し距離を置いたところでまるで僕のように行動をするんだ。しかしなぜだ、君の行動はうらやましい。僕が頭で思い描いていることを君は行動するのだから。なぜ僕にできないことを君がする。なぜ僕にはできない。なぜ、なぜ、そして君は僕よりも美しい笑顔で笑いかけるんだ。その瞬間僕が真っ黒になって消えてしまうんだ。嗚呼、本当は僕のほうが偽者だったのか、もはや正解などわかりやしない

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