やばい
いつもと変わらない毎日が、今日、変わりました。なんと手塚君があたしに声をかけてきたのです
コクン、コクン
やばい、眠い。浮かれすぎたのか、あたしは一時間目からうとうとしてきた。ていうか頭こくこくする。恥ずかしい、隣に手塚君がいるのに
ふに
…ほっぺたを触られた。誰にかって?窓側の席で、あたしは窓側で、って言ったら隣の席のひとしかいない。…手塚君?あたしはゆっくり顔をあげると、隣でこっちを見ている手塚君を発見した
「………」
「…授業中は寝ない方がいい」
「……はあい。」
少しはまともな返事をすることができたかな。ていうか、今日の手塚君はおかしい。いつもあたしがウトウトしてたって何も言わないもん。きっと腹の中で馬鹿だなこいつとか思ってるんだわ。なのに今日は私をわざわざ起こしてくれた。一体何事だろう。ていうか、ふにって!ほっぺたふにって触られた!どうしよう、嬉しくて涙が出そう
・
・
「起立、礼、さよーならー」
長い長い一日が終わった。今日は本当によく、手塚君と喋った。一体どういう心境の変化だろう。手塚君、変なものでも食べちゃったのかな。
「苗字」
「わっ」
「…なぜそんなに驚く」
「え、えへへ…」
「…今日はもう帰るのか」
「うん、あたし部活やってないし」
「…そうか」
「…な、に?」
「…家まで送って行こう」
「へ?」
びっくりしすぎて間抜けな声が出てしまった。家まで送るって、つまり一緒に帰るってこと?ああそうか、今日はテニス部休みだもんな。…やばい、緊張してきた
「何をぼーっとしている。いくぞ」
「は、はい…」
やばい!