人生バラ色




手をつなぐだけで、ずっとそばにいられる気持ちになった















「今日は先に帰れ」
「いや」
「体に悪い」
「いや、待ちたい」
「強情だな」
「強情だもん」
「…温かくしているんだぞ」
「うん」










今日は、校舎で待とう。手塚君も心配するし。暇だなあ。何しよう。











「…四つ葉のクローバーかあ…」








生徒手帳を開くと四つ葉のクローバーが出てきた。押し花みたいになってしまっている。…これのおかげで、今あたしは手塚君と話ができているのだ。感謝しなくちゃ












「でも、憎たらしいよ」








もしもクローバーに耳があって、少し難聴で、あたしの言った一週間を、一生と聞き間違えてくれてれば、なんていう面倒くさい妄想をしているあたし、ただのあほだ。












「…手放したくない…」

























「名前、大丈夫か」
「うん、だいぶ痛みも引いてきたよ」
「そうか、」








手塚君は少し嬉しそうに笑った。段々と手塚君の表情を理解できるようになってきた。













「…名前」
「なあに?」
「明日、暇か」
「え、うん」
「…出かけるか」
「え!」
「…嫌か?」
「ううん、行く、絶対行く」
「体調は大丈夫か」
「え…あ…」
「…俺の家にくるか」
「………い、く」










あたしの頭の中、バラ色!






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