白石と初々しい





もうすぐ四月。今は三月の中旬で少しだけポカポカしてきたけど、やっぱりまだまだ寒くて。そんな中私は初めて彼氏ができたわけで。相手はあの白石君。近寄るだけでドキドキしちゃって、うまくしゃべることもできない。






『明日一緒に学校いこか?』
「え…っ」








明日から新学期。そしてその前日にこの電話。白石君と学校にいくって、登校するってこと?やだ!彼女みたい!いや彼女なんだけども。






「い、いくいく!絶対行く!」
『はは、ほな、明日迎えにいくわ』
「わ、あ、ありがと…」








ドキドキしながら電話を切って、寝る支度をする。明日、楽しみなような不安なような…。しっかり喋れるかな。わー、ドキドキする!











「…、寒っ」









ぶる、と震えながら布団に入る。明日は頑張ろう






















「おはよーさん」
「おは、よ、う」
「ほな、いこか」









目の前に白石君がいる。朝から白石君があたしの目の前に。うわドキドキする。どうもうまくしゃべれない。私、ただの変な子じゃないか。










「まだ少し寒いなあ」
「…そ、だね」









白石君の傍を、少し後ろに離れて歩く。そしたら白石君が少し立ち止まった










「…ど、どうしたの?」
「…いや…」
「…?」
「隣、歩かんの?」
「え…」










し、白石君の隣って。恥ずかしい。周りにも付き合ってることばれちゃうし。いや、隠し必要はないんだけど









「…あ、あの」
「ま、ええよ。いこか」







少し笑いながら再び歩き出した白石君。私、何してんの…。そのまま白石君の後に続くようにして歩く。なんだかそのまま白石君と私との間が開いて、彼がどんどん遠くに行ってしまうような錯覚に襲われた。













『待って、隣にいて』











言いたいことが言えない。口から出てこない。多分これが恋の病ってものなのだろう。多分、私は何か言ったら、さっきみたいに失敗しちゃうから













ぎゅ














白石君の空いている方の手の小指を、少しだけ握る。白石君はびっくりしたようで、少しだけ立ち止ったけど、再び歩き出した。心なしか白石君の頬が少しだけ赤かった気がする。でもそれ以上に私の方が赤くなっていただろう。私の手と白石君の小指の繋がったところが、なんだかほのかにあったかくて、もう春が来たんだなあと思った







▽香子様へ!
白石と恋人設定で初々しい二人、どうでしょうか。これがアコの精いっぱいの初々しさでございます(><)気に入っていただけたら幸いです(^^)リクエストありがとうございました!




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