千歳と旅行


私の好きな人。私の好きな人は、背が高くて格好良くて、テニスが上手で、それで、とっても自由な人。私のことおいて、どっか行っちゃいそうな、そんな人












「…ほらまた約束破った」
「…ご、ごめん」
「どこ行ってたの?」
「ちょっと将棋しに」
「…ね、もう夏休みだね」
「ああ、もうそんな時期たいね」
「旅行…いきたいなあ…」
「旅行?」
「だって、千歳と連絡取れないまま夏休み終わっちゃいそうなんだもん」
「じゃ、旅行いこ」
「え。いいの?」
「ん。約束」










そう差し出されたのは千歳の小指。なんでこんなにかわいらしいことするのかな。
























「…おん、せん」
「ん、温泉」
「これ、旅行?泊まり?」
「ん、旅行。泊まり。」
「…わあっやったあ!」








千歳に引きずられて連れてこられた先は、温泉旅館!温泉とか、嬉しすぎる。お肌つるつるだね。







「…温泉とか、以外」
「なして?」
「なんか、トトロ探しとかに連れてかれるのかと思ってた」
「あー、それもよかね」
「ちょっと、冗談だから」








本気にして、今にも後ろの山に駆け込んでいきそうな千歳の腕をつかみ、旅館の中に入っていく。チェックインして案内された部屋は、和室。普段洋風の造りの家に住む私には、この畳のにおいは新鮮で。









「じゃ、さっそくお風呂はいろー」
「一緒に入る?」
「え、混浴?」
「いや、そげんもんはなかけん、」
「やだ、変態」








名前と風呂入りたか、と後ろでぐだぐだいう千歳を無視して私は早速荷物を持って風呂に向かう。わくわく。お肌すべすべになるかなあ





















「じゃ、ここまでだからね」
「…つまらん」
「痴漢で訴えられるよ」
「ま、お楽しみは後にとっとくばい」
「な…」








にや、と笑う千歳はなんかかっこよくて。いつもへらへらしてるのに、たまにかっこよくするとか、そんなんナシなのに!








「…よし、風呂入ろう…」





















「ふあ…あったまったー」





ついつい長風呂しちゃった。だってお湯が!真っ白で!お肌すべすべで!






「はー気持ちよかったー」
「随分長か風呂たいね」
「……わあ!」
「…てか、長すぎ…」
「え、千歳、待ってたの?」
「…うん」
「先に部屋に戻っててもよかったのに」
「あがったばっかの名前ば見たくて」
「は?」
「……ほれ、浴衣もっとちゃんと着るばい」
「う、あ、ありがと」







少しはだけた浴衣を千歳が直してくれる。なんか恥ずかしいな。








「…ていうか、部屋戻っても名前いなくて」
「うん」
「…風呂の前で待っててもなかなか出てこんくて」
「うん」
「……どっかいっちゃったかと…」
「へへ、千歳かわいいね」
「ま、お互いさまばいね」











そういうと千歳は私の手を引いて部屋に戻ろうとする。いつものあたしの気持ちが少しはわかったんじゃないかな?だって千歳ってすぐどっかいっちゃうしさ




ガチャ





「じゃ、部屋にも着いたし」
「え」
「名前、こっち」
「わ、ちょっと」




風呂から戻った部屋には、どうやら旅館の人が布団を敷いてくれたらしく、二つ敷かれていた。そしたら千歳は片方を部屋の隅に寄せだした。これはまさか







「…ちょっと、千歳と二人で寝るなんて、狭い」
「ひどかね、せっかく旅行ば来たのに」
「…ま…いっか…。せっかくの旅行だし」
「じゃ、入った入った」






無理やり布団の中に押し込まれる。今、真夏なのに、千歳は冷房をガンガンに入れてわざわざ毛布をかぶる。一見環境によさそうな人間に見えて結構悪影響な奴だな…






「ち、とせ、あつい」
「ん、ぬくか」
「もう、せっかくお風呂入ったのに汗かいちゃうよ」
「もう一回入ればよかよ」
「あ、ちょっと、何触ってんの」
「すべすべ」
「だって温泉だもん」
「連れてきてよかったばい」
「…これが目当て?」
「はあ、ぬくか」
「…もう、」
「名前、してもよか?」
「んー…うん」
「やった」
「…千歳に首輪でもつけようかなあ」
「…ムードもクソもなかたいね」
「そうすればずっと一緒にいれる気がして」
「…」
「…あたし馬鹿かな」
「…ずっと繋いどいて」






ゆっくりと目を閉じる。千歳があたしの身体じゅうに接吻するのがわかる。気持ちいなあ。ずっとずっとセックスしてたら一生離れることがないのかも。もしかしたら一番の首輪だったりして。こんなこと考える私は相当の馬鹿なんだろうけど、後悔はしなかった











▽奈津様へ!
リクエストありがとうございます(^^)とりあえず旅行にはいきました!ちょっといちゃこらしました!ちょっと大人なシーン…?スミマセン…ご要望に完ぺきに応えられてないような気がしてなりません…笑 少しでもお気に召してくださったら幸いです!ありがとうございました(^^)アコ




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