すき
「…おはよ」
「昨日、」
「ごめんね」
「………」
また次の日あの海へいくとやはり彼女はいた。昨日のことを聞くとごめんといわれた。何がごめんなんや。
「…ずっと思っとったんやけど」
「うん」
「…お前、人間?」
「…何人の次は人間かあ」
「………」
「ひかる、」
「なんや」
「あたしね、今すごく嬉しいの」
「………」
「でもね、すごく悲しいの」
「…なんで」
「あなたが、好きです」
「………」
「隣にいると心地よくて、」
「……それは」
俺も同じや
「でもね、悲しいよ」
「もう、きえちゃうから」
何が起こってるのか理解できなかった。なのに、なぜか、目から、涙が出た
ブク
ブク
彼女は俺の目の前で泡になっていった。いつもはしらんうちに消えるくせに、なんでこういうときだけゆっくり、目の前で、消えていくんだ、よけい悲しかった
「…アホ、」
俺はきっと彼女に恋をしていた。ほんの少ししかいれなかったけど、彼女の温かさは確かなもので、それは悲しくなるくらいあたたかくて、
ああ、もう
出会わなければよかった
END