きらい
「…あ」
また次の日海にいくと彼女がいた。名前をしらないから呼び掛けにくい。そしたら彼女が振り返ってニコ、と笑いながら俺の方へ駆け寄ってきた。サラサラの髪の毛はよく見ると青がかっていて、海色をしていた
「おはよ」
「………」
「どうしたの?」
「…名前」
「…ああ」
彼女はくる、と俺に背を向けて海の方へとかけて行った。
「きもちー」
彼女の意図はよくわからなかった。エメラルドグリーンの海の中に真白のワンピースを着て水遊びをする彼女は何か違うものに見えた
何か
「…人魚…」
「え?」
彼女が俺の言葉に反応した瞬間、いきなり雨が降ってきた
「わ、にわか雨…」
早く彼女を海からあげようと振り向くと、そこには誰もいなかった