かわいそうなのね





丸井ブン太という人の家に転がり込むことになったあたし。仁王君、本当にありがとう。感謝の気持ちでいっぱいだよ








「本当にいろいろありがとう」
「もうこれ以上世話はしないぜよ」
「………」
「…まあ、本当にどうしようもなくなったら助けてやってもいいけど」
「…ホント?」
「……おう、」
「ありがとう」








ほんとにいい人!一番最初に出会った人が仁王君みたいにいいひとでよかった!









「じゃあ仁王、また明日な」
「おう、頼むぜよ」
「またね、仁王君」









仁王君と別れてあたしは丸井君と二人で薄暗い道を歩き始めた











「…丸井君」
「ブン太でいいって」
「…じゃあ、ブン太」
「おう、で?」
「えっと、仁王君とは友達?」
「ああ、ていうか部活同じだしな」
「そうなの?何部?」
「テニス部」
「へえ、そうなんだ」
「立海のテニス部ならお前も知ってるだろい?っていうかお前どこの学校行ってるんだよ」
「え、徳川高校…じゃなくて、えっと…青春学園?」
「え、青学かよ」
「う、うん。もう転校するけどね…」
「そっか、親御さん大変だな」
「あ、はは…」











どうしよう、あたしのウソ、ちゃんと成り立ってるかな?この日本に存在してる東京の学校はさっき聞いた青春学園しか知らないし。あたしの頭、いまグルグルだよ























「…てことなんだけど、コイツ住まわせてやってもいい?」
「えっと、名前ちゃん?」
「は、ハイ」
「いろいろ大変ねえ、うちでよかったらお部屋使ってね」
「あ、ありがとうございます」
「仁王君の友達なんだろう、是非ブン太とも仲良くしてやってくれな」
「は、ハイ」











丸井家の父母、いい人!ていうかあたしすごい哀れな設定だなあ…











「名前、部屋こっち」
「あ、うん」








それにしてもあたしの手荷物は今来ている下着と練習着とジャージのみ。ていうか、思いっきり徳川高校ってジャージに書いてあるじゃん!よかったツっこまれなくて…









「この部屋、俺の部屋の隣だから」
「あ、うん」
「ま、暇ならいつでも声かけてくれていいぜ。あと弟の世話、よろしくな」
「…弟?」








ブン太のもうひとつ隣の部屋から子供たちがギャーギャー騒ぐ声が聞こえてきた。なんか大変な生活になりそうだなあ












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