ここはどこ




「急に神奈川県にきちゃって背が縮んじゃったの」
「…は」








いろいろと省略して今までのことを話したら、どうやら通じなかったらしい。









「だいたい出身はどこなんじゃ」
「東京」
「で、気づいたら神奈川にいたのか」
「うん」
「夢でもみてるんじゃなか?」
「夢じゃない!背だって低くなってるし、」











あたしは携帯を取り出してデータフォルダからこの間の陸上の大会のときに撮った写メを見せた。










「ほら、背が高いでしょ?」
「…お前さん、まんま陸上じゃな」
「似合ってるでしょ?」
「…まあ」
「て、そうじゃなくて、ほら、あたし本当は背165センチだもん」
「………」










しばらく彼は黙りこんでしまった。












「…ていうか」
「何?」
「東京に帰ればええんじゃろ」
「…お金ないし…」
「金なら貸してやるぜよ、利子つきで」
「……………」
「電車なら新幹線より安いぜよ」
「…うん。そうだね」
「今携帯で値段見てみるから。お前さんの最寄り駅は?」
「えーっと、高校の名前と同じ、徳川駅」
「…とくがわ駅…」
「………」
「………」
「…あった?」
「…お前さん、間違えとるじゃろ」
「え?」
「そんな駅東京にはないぜよ」
「…………は?」










一瞬耳を疑った。あたしが最寄駅を間違えるわけない。高校と同じ名前の駅なんだから。










「…ねえ、携帯で徳川高校調べて」
「は?」
「早く」
「自分の携帯は」
「なんか知らないけど、電波がない」
「…………」
「…あった?」
「……な、い」









あたしの高校は検索すれば一発で出てくるのに。運動部が強いから。











「…ねえ、あたし今日本にいるんだよね?」









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