かわいい不審者
「お、仁王ギリギリじゃん」
「なんか朝不審者にあった」
「は?」
朝から丸井がガムを膨らませていた。本当にあの女はなんなんじゃ。ジャージには徳川高校とかかいてあったけど明らかに高校生じゃないじゃろ
「仁王、さっさとコートいこうぜ〜」
「お―」
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今日は午後練はオフの日じゃ。さっさと帰って昼寝でもするかのう。
「……………」
「仁王君、どうかしたのですか?」
「…不審者」
校門のところになにかが座り込んでいる。そう、まるで今朝を思い出すような何かが
「…あ!少年!」
「お前さんまだおったんか」
「お願い、助けて」
「は?」
あの女は俺の服をつかみ、助けて助けてと頼み込んだ。一体なにを助けろというのか。ていうか人目が気になる
「すまん柳生、先帰っとって」
「……わかりました」
何かを察したのか、柳生はすぐに帰っていった
「おまえさん、とりあえず落ち着け、近くの喫茶店にでもいくぜよ」
「…うん、」
彼女は少し涙目で、不覚にもその姿をかわいいと感じてしまった。