いってらっしゃい
「…どちらへお出かけ?」
「東京!」
夕方、夕飯を食べに下へ降りると、玄関にでかい荷物を背負ったブン太がいた。
「…なんで?」
「…全国大会決勝!!」
「あ!」
そういえば!なんて思いだすとブン太は「失礼な奴、」と怒っていた。ごめんって。
「ブン太」
「あ?」
「がんばってね」
「…おう。」
「…勝つことだけが大事じゃないしさ」
「何言ってんだお前」
「…あ、いや、」
「勝たないでどうすんだよ、」
ズキ
あ、また頭が痛い。ブン太は「じゃあな」と一言のこし出て行ってしまった。明日か明後日くらいに帰ってくるらしい。お土産は何だろう。
「…あ…」
メールが入っていた。雅治だ。『大会で東京いってくる』と一言簡単な文章だった。
ピピピピ
メールだ。あ、また雅治。『土産もかってくるぜよ』と一言。…もしかしてあたしの心お見通しか?
「…がんばって」