揺らぐ




まるであたしと雅治の恋は初々しい初恋のようだった。お互い好きあってるけど、手をつなぐということもしない。キスをするというわけでもない。心と心の繋がりだけがあたしと雅治をつないでいた。別にあたしがそういうことが嫌、とか雅治もそういうことを嫌うとか、そういうのは全く関係ない。だけど、一歩踏み出してしまったらきっと泥沼にはまってしまうだろう。あたしはいつこの世界から消えるのかわからないのに。きっとお互いそのような恐怖を共有しているのだろう。だからあたしたちはこのままでいいのだ。真っ白で汚れのない、純粋な恋。でももうあたしの頭の中はぐるぐるだった。半分は幸せ。半分は恐怖。いつ雅治と離れてしまうのだろう。この間までは元の世界に戻りたいとか思ってたのに。ああ、心が揺らぐよ



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