お迎え






「…ただいまー…」
「おかえり」






そうっと扉をあけると、玄関には仁王立ちしているブン太がいた。








「…ご、ごめん」
「別に」









とか言ってる割に、顔はものすごく機嫌が悪そうだ










「…あ、あの、ブン太」
「俺もう寝るし」
「え」
「明日も朝はえーし」
「あ、そか」
「お前に構ってるヒマねえし」







そんなことを言って、ブン太は部屋へと戻って行った。でも、あたしが帰ってくるの、待っててくれたんだね。ブン太はやっぱり可愛いと思う。





























「おい、名前おいてくぞ」
「待ってってば、」










あたしは慌てながら靴をはいた。ブン太は今にも出発しそうな勢いだった。張り切ってるなあ











ガチャ








「…何してんだよ」
「おはよーさん、」
「ったく、何で朝っぱらから仁王なんて見なくちゃいけねえんだよ」










え、雅治?








急いで靴を履いて、ひょこっとドアから顔を出すと、そこには雅治がいた。













「あ…雅治おはよっ」
「ん」









にこりと笑うと、雅治はブン太のあとに続いて歩きだした。あたしもカバンを持って急いでそれに続いた。










「あーもーむかつく」
「なんじゃ丸井」
「うっせ」









きっと雅治はあたしのことを迎えに来てくれたのだろう。ブン太はそれをわかってるのだろう。ご機嫌斜めなブン太にあたしと雅治は苦笑いを浮かべるだけだった







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