どうしよう
「…名前は?」
「しらね、朝起きたらもういなかったぜ」
丸井は少しご機嫌ナナメのようだった。昨日俺が勝手に名前を引っ張って帰ったことにご立腹のようだ。それに加えて朝起きたら名前が先に家を出ていたことにイラついていたらしい
「喧嘩でもしたんか?」
「別にしてねーよ!」
ブン太はイライラしながら部室へ入って行った。俺は部室に入る前に陸上の競技場をチラ見した。名前はいつになく真面目な顔をしながらランニングしている。ブン太と何ケンカしたんじゃ
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自分の感情がよくわからなくて、あたしはひたすら部活に打ち込んだ。もうかれこれ一時間ランニングしている。どうやらテニス部の部活も始まったようだ
「苗字、お前いつまで走ってるんだ」
「え」
「もう朝練終わりだぞ」
「もう?」
先輩に言われて、あたしはしぶしぶ着替えに行った。制服に着替えて部室から出ると、ちょうど朝練を終えたブン太と目が合った
「あ…」
「………」
ブン太はだいぶ機嫌が悪いようで、あたしから目をそらし部室に入って行った。ああもう、どうしよう
「名前」
「…ま、雅治」
「ブン太と喧嘩でもしたんか?」
「あ、えと…」
また、あの気持ちだ。無駄にドキドキして、胸が苦しくなる。どうしよう、ここにいたくない
「…ごめん、」
「え」
あたしは逃げるようにその場から立ち去った。ああもう、こんなんじゃだめだよ