喋んないし
「…ただいまー」
「あ!名前!」
雅治の家から帰ると、そこには半ギレ状態のブン太がいた
「何でおれのことおいてったんだよぃ!」
「あー、えっと…」
「もう今日は名前とは喋んねえし」
「あ、そう…」
今喋ってるじゃん、とか思いながらあたしは部屋へ戻った。
「おい、」
「喋るの早」
「仁王なんだって?」
「え?」
「お前に話あったんじゃねえの?」
「…………」
「…お前何赤くなってんだよ」
「…え!?」
うわ、ホントだ、あたし顔熱い、
「べ、別になにも!」
「なんだよ、教えろよぃ!」
「うっさいバカブン太!」
「は!?」
バン!とドアを閉めてあたしはドアの前にイスを置いた。外ではブン太が怒りながらあたしの部屋のドアを叩いている。
「…はあ」
あたし、どうしちゃったんだろう
・
・
ピピピ
「…ふああ…」
目覚まし時計は朝5時を指していた。ブン太に会いたくなかったから、今日は少し早く起きた。ブン太が起きないうちに家を出よう。あたしは素早く身支度を整えて、ジャージに着替え、部活リュックを背負って家を出た。
「ふう、」
なんか、昨日から気疲れしたなあ。夜も暑くて眠れなかったし、
「…よし!」
今日も頑張ろう