ありがとう




「じゃあ今日の練習はここまで」






部長の声で今日の部活は終わりになった。さっきの頭痛はもうなくなって、今日は快調だった








「名前〜」
「ブン太!…雅治も」
「帰るぜ―」





ブン太と雅治が待っていたからあたしは急いで荷物を持った






「遅くなってごめん、いこっか」
「…………」
「……何?雅治」
「……なんかあったか?」
「え?」







何かってなんだろう。






「…いくぜよ」
「え、わっ」




グイッとあたしを引っ張り早足で歩き始めた雅治。後ろでブン太が騒いでる






「おい!どこ行くんだよ!」




そんなブン太を無視して雅治はどんどんあたしを引っ張って歩いていった



















「ねえ、雅治!どこいくの?」
「………」






返事がないままあたしと雅治はある家の前で止まった。表札には仁王の文字。雅治の家…?







「入って」
「え」






雅治に手をひかれたままあたしたちは家の中に入った







「………雅治?」
「顔色悪いぜよ」
「え、あたし?」
「ああ」
「そうかなあ」
「体調わるいんか?」
「…いや…さっき頭痛かっただけだよ」
「頭?」







雅治はしばらく動かないであたしを見つめた。何考えてるのかな







「…雅治?」






しばらくすると雅治はあたしの頭を撫でだした。






「…すまん、他にどうしたらいいかわからんかった」
「…心配してくれたの?」
「…………」
「ふふ、ありがとう」









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