仮病の仮病





キーンコーン..







「はあ〜、疲れたあ」
「腹減った…」
「次の授業なんだっけ」
「英語」
「うわ」






英語なんて最悪。まあ中学のだからいいんだけど。ていうか高校生のあたしができなかったらやばいんだけど。






「なんであたしがこんなことしなくちゃいけないんだ…」
「なに言ってんだお前」
「べつに。あたしトイレ」






このままさぼっちゃおうかな




















トイレにいき、あたしはそのまま保健室に来た。保健室は絶好のサボり場所だよね





ガラ






「先生〜、頭イタイんですけど…」





なんて、仮病を使いあたしは保健室に入り込んだ。あれ、先客?









「あら、苗字さんどうしたの?」
「あ、えと、頭が…」








先生があたしに話し掛けると、そこにいた先客もこっちを振り向いた。わあ、きれいな男の子…







「……………」
「…こんにちは」
「あっ、こんにちは」





やば、見すぎた






「ああ、苗字さん、この子幸村精市君。こないだまで入院してたの」
「はじめまして」
「あ、はじめまして…」







なんか肌が白くて細くて、本当に病弱そうだなあ







「…あ、あたし苗字名前。こないだ転入してきたの」
「幸村君、この子丸井君の家に居候してるのよ」
「丸井の?へえ、そうなんだ」
「…は、はい」
「苗字さん、幸村君こうみえてもテニス部の部長なのよ」
「え!?」
「ふふ、驚きすぎだよ」
「あ…ごめん」







この人があのテニス部の部長。あの個性派集団の長。やばい、笑いそう…






「さ、それじゃ二人とも授業いきなさい。特に苗字さん、頭なんて痛くないでしょ」
「あ、あはは…」







あたしは適当にごまかして幸村君と外に出た








「…丸井の家にいるんだ」
「あ、うん」
「騒がしそうな家だよね」
「まあ…」
「…苗字さんて陸上部?」
「え…なんでわかるの?」
「見た感じで」
「へえ、すごいね。あたりだよ」
「うちは陸上部も強いからね、練習とかついていけてる?」







むか。ばかにしすぎ







「うん。余裕。」
「ふふ、おもしろいね」
「…?」
「ぼくも早く体力戻さなくちゃ。今年も優勝しなくちゃいけないから」
「……優勝…」









ズキッ








「……っ」
「…どうかした?」
「頭が…」
「保健室いくかい?」
「いや…」







とりあえずあたしは幸村君と別れて適当に校内をぶらついた。妙に頭が痛い。仮病だったはずなのに



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