今度は違うよ





午後になって、あたしは立海へ来た。広い。キレイ。すごいなこの学校。しかもテニスコートすごくたくさんだし、陸上の設備も整ってる。すごい。








「あれ?名前?」
「あ、ブン太!」
「何してんだよぃ、」
「えっと…見学」
「ああ、お前立海入るの?」
「うーん、まだわかんないな」







ブレザー姿のブン太は新鮮だった。そしてその後ろには仁王君が







「仁王君」
「おう、お前さんか」
「昨日はいろいろありがとうございました」
「この借りはいつか返してもらうぜよ」
「え」
「ふ、嘘じゃ」
「も、もう!」







なんだかつかめない人だなあ。










「二人とも学校終わりなの?」
「おう、今から部活」
「部活かあ…あたし見学してもいいかな」
「いいだろぃ。真田に言えばコートの隅っこくらいには入れてもらえるだろ」
「真田…?」

















「…えっと…苗字名前です」
「…………」
「…さ、真田…さんですか?」
「…貴様、苦労しているらしいな…」
「え」
「思う存分見学していくがいい」









そう言って真田君はあたしを中へ入れてくれた。ブン太と仁王君、一体あたしのことどうやって紹介したんだろう・・・・











「…わ…」






しばらく見ているうちに練習がとっても激しいことに気が付いてきた。さすが強豪校。







「…いいなあ、あたしも走りたい」






もう2日くらい走ってない。筋肉が硬くなる前にちゃんと練習したいな






「おい、名前?」
「わっブン太」
「なにぼーっとしてんの?てか、お前日陰にいないと日射病になるぜ」
「あ、うん」
「お前帰り道わかる?」
「え?」
「おれの家までの道」
「…あ」
「わかんねえんなら一緒に帰ってやるよ、そのかわり7時まで待てるか?」
「…7時…」







って、今4時じゃん。あと3時間あるじゃん。待つのめんどうくさいな










「…多分覚えてるからいいや」
「え、いいのかよぃ」
「うん、部活がんばってよ。あたし適当にプラプラしながら帰るから」











ブン太は再び部活に戻って行った。さてと、今日はもう帰ろうかな


























「…あれ…」






門を出て、まっすぐ行って、右に曲がって左に曲がって…そこまではよかったのに








「…ここ、どこ?」








もしかして、東京に戻った?とか思ったけど、そこらの車は神奈川ナンバー、見知らぬ駅、多分これは











「…まい…ご…?」









どうしよう
















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