貴方は白
名前に断られた。俺は客になったらあかんのか。地味にショックだった
「…はあ」
「何溜息ついとるん?」
「…別に」
「そういえば最近白石苗字さんと仲ええなあ」
「え」
「昨日も一緒に帰ってたやろ」
「ああ…まあ」
「も、もしかして…」
「アホ、何想像しとんのや」
赤くなる謙也にデコピンして窓から外を眺めた。付き合うどころか、セックス対象外やなんて、イラつく。なんでやねん
「…あ」
そとには名前が歩いていた。サボリか。俺は謙也に「ちょっと保健室」とかいって教室を出た。
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裏庭に出ると、ベンチに座っている名前がいた。
「…よ」
「あ、白石君」
「ここ、職員室裏やん。バレるで」
「屋上暑くてさ、」
せっかくサボるなら涼しいとこいこ、という話になり、俺たちは少しホコリっぽいが体育館の倉庫へむかった
「わ…涼しい…」
「無駄にホコリっぽいけどな」
「避暑地には適所だね」
「…なあ」
「ん?」
「なんで俺は客になったらあかんの」
「…………」
唐突な質問に名前は黙ってしまった。
「…白石君のイメージカラーは」
「え」
「白なんだよね」
「…はあ」
「別に苗字に白が入ってるからじゃなくて」
「………」
「なんか、白なんだよね…」
「………」
「理由はそれかな」
「え」
意味わからんし、どうつながるんそれ。
「なあ、」
「ごめん、もうきかないで」
「……」
気になる、何で俺じゃあかんの
「………」
なんだ無性にイラついた。俺は名前の腕をつかみ引き寄せて、名前を抱き寄せた。
「…きゃっ」
「…なんでや」
サラサラの髪の毛が頬に触れてくすぐったい。こんなにキレイな子なのに、なんであんなことするんやろ。本間に疑問や。嗚呼、放したくない放したくない
「や、だめ、放して」
「いやや」
「ちょ…白石君、」
首に顔をうずめて赤くしてゆく。独占欲丸出しやん。あほか
「い、た」
チクリとした痛みに名前は顔をゆがませた。スカートの中に手を入れて下着の中にまで忍ばせると、ぬちゃ、といやらしい音がする
「…え…名前…?」
「や…放して!」
ドン、と押されて俺は名前を放した
「…なんで、感じとるん」
「……」
「俺はセックスの相手にはダメじゃないんか」
「……」
「だって、白石君は白いから」
名前はそれだけしか言わなかった