馬鹿な頼み


別に好きでやってることじゃない。ただ興味本位で、刺激がほしくてやったことだった。なのにまるで呪いのように、あたしにまとわりつく性行為。やめたいならやめればいい、そう思うのに、やめられない。汚れたあたしが今更真っ白く元に戻ろうとするなんて、都合がいいし無理に決まっている。白石君はそんなあたしを知りつつもやさしく接してくれる貴重な存在だった。汚れのない、素敵な人。真っ白なイメージが焼きついた。そんな彼に、あたしのお客になんてなってほしくなかった。あたしとセックスしたら、彼が黒く汚れて行ってしまいそうだったから。そんなことをぼんやりと考えながらあたしは今も性行為に励む。いつからだろう、こんなにもセックスに痛みを感じるようになったのは。もはや相手がうまい下手という問題ではない。あたしの心の問題だ。




「…ねえ、お願い、名前って呼んで」
「え…ッ?」
「……なんでもない」







あたしの上で興奮しながら腰を振る男に馬鹿な頼みをしてみる。ああもう終わりだね、あたしはあの人に恋をしてしまったんだ。いつの間にか



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