その後、俺達は近藤さんに聞いてもう組の人達は怒ってないと聞かされた

本当にこれで良かったのだろうか…俺達のしてきた事はいけない事なのに、こんなに簡単に…


「…良いって事で良いだろ」

「…宗助さん…?」

「お嬢が良いって言ってんだ」


宗助さんはまだ立海で清掃員をしていたんだ。でもきっと彼はまだ俺達を許していないだろう

証拠にあの何とも言えない無表情で俺と目を合わさずに話している


「…でも俺達は…」

「じゃあこれは組からの頼みだ」

「え?」

「…これから先、お嬢と仲良くしてやってほしい」

「っ」

「お嬢は家がやくざってだけで小学生の頃から転校を繰り返して仲の良い友達はろくに出来なかった…頼む」

「…俺達からの頼みも聞いて、くれませんか?」

「?」

「近藤さんと仲良くさせてください」

「っ」

「俺達は彼女に酷い事をしてきました…でも俺達、我が儘を言うと仲良くしたいんです。お願いします」


俺は頭を下げて宗助さんにお願いをした。ここは宗助さんがお願いをするんじゃなくて俺から願わなければいけない

頭を下げているとふいに笑い声が聞こえたので上げてみると、宗助さんが口元に手を置いて喉を鳴らして笑っていた。俺は驚いていると


「ワリー……いや、ほんとアンタは肝が据わってんなって」

「?」

「若との話し合いでも動じずに冷静だった。ガキでそんな奴見た事なくて」

「は、はぁ」

「お嬢と仲良くしてくれるならそれで良い」

「…じゃあ…!」

「卒業までよろしくな」


宗助さんは振り向いて歩いて行く。許可してくれたんだ…!

俺は嬉しくてまた頭を下げた


「あと、ガキはガキらしく生きろよー」

「え?…ふふ」


ガキは、ガキらしく…か。この間までの俺は子供らしい考えじゃなかったかもしれない

なら、俺はこれから子供らしく生きよう…二度と大切なものを無くさないように







近藤sideー


「…ほんで、椿と日向さんはお友達に、と」

「うん」

「よろしくー舞ちゃん!」

「えぇんかー?ウチもやくざの子やで〜?」

「もう若達で慣れちゃったから大丈夫ですー」

「ふふ」


舞ちゃんと詩織ちゃんも仲良くなれそうで良かった

あ、呼び方なんだけど詩織ちゃんにそう呼んでって言われたから…えへへ


「せんぱーい!」

「切原君!」

「みんな!」


小さい頃はこんな賑やかな学校生活を望んでいた。でも今はそれが実現している

色々あったけどそれはもう過去の出来事

終わりよければ全て良しっていう言葉あるもんね


「つかもうすぐテストじゃん」

「うっわ!せっかく忘れてたのに言わないでくださいよー!」

「たるんどるぞ!」

「みんなで勉強すれば良いだろ?」

「それ賛成ー!」

「そうだな。それなら誰もサボらないだろう」

「良いですね」

「ぴよっ」

「えー!」

「ふふっ」


こんな笑いの絶えない何気ない生活が好き

大切な事は本当に身近にあるもの。それを気づくのも気づかせるのも人

だから人は成長出来るんです


「何、もの思いにふけっとるんや?」

「舞ちゃん…楽しいなぁって」

「ふーん」

「近藤さん。今度俺達テスト勉強するけど勿論近藤さんも来るよね」

「うん!」

「あ、なんなら宝月さんも来る?」

「え?ウチはついで?」

「そんじゃあどこで勉強する?」

「真田の家はどうじゃ?」

「俺か?」

「ええ!?無理無理!却下!」

「椿先輩が酷く却下してる!」

「だって真田君のおじいさん警察関係者なんだもん!」

「あ、そうか」

「近藤の言いたい事分かった」

「安心しろ。近藤。おじいさまには俺から伝えておこう」

「う、うん」

「ま、真田に任せておけば大丈夫だって」

「それじゃあ決まりね!」


初めて警察関係者の家に行くけどみんなが入れば安心です

でも兄さん達に話すとまた騒ぎそう。じゃあ内緒という方向で。友達との時間は大切にしたいから

人は間違う事によって大切な事に気づきそして強くなる。きっとみんな強くなる

私はそう思う。絶対です。


「椿ちゃーん。行くよー」

「え!?ま、待って!」

「何してんだよー近藤」

「ははっ」


有難う

私はその言葉を贈りたいと思います

大切な事に気づいてくれたみんなに……





END...

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完結です。
今までお付き合い下さり有難うございました!
完結出来たのは皆様が応援してくれたおかげです
本当に有難うございました!
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