土曜日…約束通り近くの空き地へ来た

空き地には桜田組の人達が居た。でもいつもと格好が違うと思えば着物じゃなくてジャージだったんだ。そのせいか雰囲気が随分と違った

なんて声かけて良いか分からず考えていれば聖さんと近藤さんが来てくれた


「来てくれたんだね。有難う」

「ちゃんとジャージで来てくれたねー。感心感心」

「あの…一体何があるんですか?」

「因縁の対決」

『え!?』


因縁の対決という言葉に俺たちは驚いた。やくざの因縁の対決って…まさか殴り合いとかじゃ…

それに俺たちも参加…?明らかに赤也なんて怖がってるよ既に。それを見た聖さんは笑って


「あはは。因縁の対決でも別に殴り合いとかじゃないから」

「そ、そうなんすか?」

「うん。君たちサッカーやるでしょ?授業とかで」

「え、あはい」

「それだよ。サッカーで対決。前までは殴り合いとかもやってたんだけどお嬢に見つかってさ。怒っちゃって2週間口聞いてくれない時があったから改め直そうって事でサッカー」

「本当か?近藤」

「みんながボロボロになって帰ってきた時は凄く驚いて…本当に口聞かなかったから」


そういう事か…俺達テニスなら得意だけどサッカーか…そう言えば仁王とブン太が得意だったな。後赤也

え、でもだとしたら俺たちをその対決に出すって事?


「よう、あんた等、来てくれてありがとな」

「あの…聖さんからお話聞いて、もしかして俺たちがサッカーをするんですか?」

「え、話早い。聖、やっぱ若いって良いな。頭の回転が早ぇよ」

「50メートル走で言えば4秒台ですか?」

「早い早い。早いよそれ」

「あの…」

「あぁ。あんたの言う通り。以前相手が高校生使ってきやがったからな。ならこっちは中学生ってな」

「お嬢が中学生で良かったですね」

「ほんとだよ」

「…」


サッカーやる事は分かったけど…もしこれで勝てなかったらどうなる?

そう考えると俺たちは一気に焦った


「絶対勝たねぇとやべくね?」

「絶対勝ちましょう!」

「というか俺たちの選択肢には勝つしかないのだがな」

「みんな、頑張って!」

「詩織、応援よろしく」


その後、聖さんと竜輝さんに連れられて俺達は試合の作戦をねった

近藤さんのお兄さんって元サッカー部だったのかな?まとめるのが上手い…とても素人の人の指示とは思えない…

その時遠くの方からとても大きい声がして俺達は驚きながら振り向くと


「竜輝いいい!今日は俺達柴田組が勝ああつッ!!」

『(超怖えええ!!やくざの中のやくざだあああ!)』

「寅次郎さんよ…今日の俺達ぁちょっと違うぜ?」

「何ぃ…?」

「アンタ等が高校生使うんなら俺達ぁ中学生使ってやるぜ!動きならこっちの方が有利だ!」

「中学生だぁあ!?」

「部長ー!俺怖いっすー!」

「我慢だ、赤也」

「椿ちゃん…」

「柴田組の人は本当にガラ悪いけど、根は優しい……んだけどね」


柴田組という人達はぞろぞろと来た…あ、本当に高校生居るんだ

その中で仕切っている人が俺達をじろじろと見てきた。赤也とブン太なんて真田の後ろに隠れて…うん、でも怖い

ジロジロ見ていた人がふいに真田を指差して


「おいおい!中学生とか言ってっけど保護者同伴ってどういう事だぁよっ!」

「むっ」

「…ぷっ」

「赤也!笑うな…!」

「あ!おまっ真田君は正真正銘中学生ですよ!」

「えええ!?」

「あー柴田組も落ちましたねー……視力が」

「聖…」

「お、俺とした事が…!!」

「今すぐ真田君に謝れ!」

「すまなかったあああ!!」

「あ、いやっ俺はっ!」


嗚呼、真田があんなに動揺している姿をみる事になるなんて…柳と一緒に苦笑いをした

他の人達も「なんだこの茶番は…」と思いながら柴田組の人と竜輝さんのやりとりを見ていた


「……ってなんで俺が謝ってんだあああ!!竜輝ぃい!」

「…自覚してくれや…」

「改めて、だ…たかが中学生入れようが俺達には勝てねぇよっ!」

「話変え過ぎっすよ…柴田さん…」

「たかが中学生…されど中学生…中学生を舐めないでくださいよ。寅次郎さん」

「なぁに…?」

「誰も"只の中学生"を呼んだわけじゃない…運動部の中学生って事を頭に入れとくんだな!」

「運動部、だとぅ…!?」

「だから今回は俺達桜田組が勝つっ!」

『(だからなんだこのやりとりは…)』


お互いの組が呆れていた

それから二人の口論が続いた。それはもう長く。だから俺達はどうする事も出来ず只待っていた


「…あの、いつ試合やるんすか?」

「さぁ…今日はもしかしたら出来ねぇかもな…お嬢、どうします?」

「夕方になっても続いてたら帰って良いと思う」

「そんじゃそうしますか」

「え、良いんですか?」

「あぁなった以上誰も止められねぇし…アンタ等には来てもらったのに悪ぃけど夕方になったら帰って良いから」

「…マジか」


案の定口論は夕方になっても続いてた

近藤さんから家族が心配したら大変だから帰って良いよ。と言われた。ためらう俺達に聖さんや宗助さんも良いと言ってくれたから俺達は帰る事にした

その流れで両方の組の人達も帰る事に……置いてきて大丈夫なのか?







「ぜーはー…」

「ぜーぜー………あっ!?誰もいねぇ!?」

「え!?」

「あいつ等俺等の事置いていきやがったなぁああ!?」

「…ひどっ!」

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久しぶりの更新だというのにこのごちゃごちゃ…
すみませんっ
次回最終回です…!
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