「…副部長」

「…」


つい先程サイレンが聞こえてうちの生徒が運ばれたと聞きまさかとは思ったけど…

まさか、椿先輩が…


「み、見舞い行きましょうよ!きっと椿先輩の事っすから元気っすよ!」

「それよりも誰が落としたかという事だ。赤也」

「え」

「…近藤、って…足、滑らしたんじゃねぇの?」

「先生から聞いた話だと、先程医者から電話があって落ちた時に打った頭の位置が自分で事故で落ちた時に位置とは違うらしい」

「…じゃあ…」

「誰かに落とされた線が大きいという事だ」


それって…かなりまずいんじゃあ…

だって桜田組にとって椿先輩は凄く大切な人で…落とした奴が立海生って知ったら…終わりなんじゃ


「先生たちは俺達テニス部を疑っている」

『!?』

「どういうことだ」

「近藤がマネージャーになってから怪我が増えた事くらい彼女の友人は知っている…なら、その友人の誰かが先生に言ったのだろう」

「け、けど!俺達近藤に暴力なんて…!」
「たわけがっ…直接的にやっていなくとも、我々がした事は間接的に彼女に暴力を降っていた事と同じ事だ」


真田副部長の言葉に誰もが言葉を失った

落とした奴……まさか、


「どうするのだ?幸村」

「…まだ誰かが落としたって決めたわけじゃないだろ?もしかしたら医者の間違いってのもあるし」

「……日向を疑わないのか…?」

「!」

「なんでだよ!」

「詩織がそんな事する筈なか!」

「そうか?今の日向は近藤に相当恨みがあったと思うが」

「…ですが、もし詩織さんならそれは近藤さんにも非があるのでは?」

「な、なんでっすか?」

「近藤さんが詩織さんの好きな方を取らなければこのような事にはならなかったと思います」

「っ」

「そ、そうだぜぃ!元はと言えば近藤のせいじゃん!詩織は悪くねぇよ!」


今…心底先輩達に絶望してる

椿先輩が…自分達のマネージャーが病院に運ばれたのに未だに椿先輩のせいにして…!


「……なよ…」

「赤也…?」
「っ…ふざけんなよッ!!」

『!?』

「、赤也!」


バンッ

俺は先輩達に怒鳴って部室を出た。もう先輩達と話していられなかった。もしあのままずっと居たら俺先輩達に…!


「…あれ?…赤也?」

「っ!」

「どうしたの?」

「…詩、織…先輩…」

「そう言えば何かサイレンが聞こえたけど…何かあったの?」

「…っ」


俺は詩織先輩を無視して走った

よくあんな白々しくいられるものだ…きっと誰もが詩織先輩を疑ってる

だってそうじゃん。詩織先輩以外誰が椿先輩落とすんだよ!!


「…?」

「……しか、あらへんやろ」

「…この声…宝月先輩…?」


門の所に宝月先輩が居た。しかも傍にはスーツ姿にマスクをした今時の20代くらいの男も居た

声をかけようとしたけど、なんか雰囲気が…


「今から行きますか?舞様」

「親父は何て言うてたん?娘が桜田組に乗り込むんや」

「……何も」

「はぁ…どこまで強がっとるんや糞ジジイ…しゃーない。今行くわ……なぁ?切原君」
「!?…バレて、たんすか?」

「当たり前や。こっそり聞くんやったら気配消さんと危ないで」


なんか…話きいてると…まさか宝月先輩も…そっち系?


「誰ですかこいつ」

「んー……うちの後輩や」

「え!?」

「へ!?」

「だから怪しまくてもえぇで。切原なんでここにおんねん?」

「ぁ…その、椿先輩の見舞いに…」

「なんやアンタもかいな。ほなうちと行く?うち等も今から行くとこやってん」

「…その人は?」

「あーこいつ?まぁなんていうか…うちの執事?」

「舞様、自分は羊ではありません」

「阿呆!羊やのうて執事!」

「…はぁ」

「…もうえぇわ…」

「?」


なんか勢い余って飛び出してきちゃったけど…

真田副部長に怒られそうだなぁ…あと次先輩達と会った時どうすれば良いんだよ

気まずい…ほんとどうすれば…このままじゃテニス部が…
















「何故赤也が怒鳴ったか知っているな…?」

「…」

「後輩に怒鳴られるようでは先輩として失格だ。目を覚ませお前達」

「…俺も、さ」

「ジャッカル?」

「最近どうして近藤の事無視してたのかって思ってた…詩織のために近藤を無視して何か詩織に良い事あったのか?」

「…それは」

「詩織を守るためだっつっても、呼び出しは終わらなかっただろ?なんでそこまで近藤を嫌ってたのか分らねぇんだ」

「…」

「確かに…俺のデータでも近藤は仕事をよくやってくれていた。嫌う理由はなかったはずだ」

「……幸村」

「真田…」

「なんだ?」

「本当に…詩織が、近藤さんを…落としたのかい?」

「…それはっ」

バンッ!!

『!?』

「…」

「…詩織」
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