悩み事



「精市。詩織がまた呼び出れた」

「…またか」


毎回呼び出れているのは俺達の大切なマネージャーの日向詩織

ファンの子達みたいに俺達に興味があるという訳でもなく、只純粋に俺達のサポートをしてくれてる

でもそんな彼女を気にくわないと思う女子が居て毎回呼び出れている…

詩織は俺達がまだ気づいてないと思って普通にしてるけどバレバレなのに


「どうする?」

「詩織に気づかれずに呼び出れなくするには…」


んー………あっそうだ


「マネージャーをもう一人増やすのはどう?」

「マネージャーを増やす…?一体誰をマネージャーにするというんだ」

「ほら、先週E組に転校してきた近藤椿さん」

「…何故そいつに?転校生ならB組にも宝月舞が転校してきただろう」

「彼女は仲が良い友達が多すぎる…ブン太や仁王も彼女と話すし。でも近藤さんは違う。先週転校してきたばかりだから友達も居ないし何より…」

「?」

「転校してきて早々俺達が近付けば女子達は彼女に嫉妬する。そうすれば詩織ではなく彼女が呼び出されるようになるんじゃないかな」

「ほう」


彼女を利用すれば詩織が無事に俺達と過ごせる

…そうだ。詩織が無事なら他がどうなろうと別に気にしない


「だがどう言ってマネージャーにさせるんだ?」

「噂だと彼女凄く優しいみたいだよ?だからこっちも優しくお願いすればやってくれるさ」

「ふっ…詩織が危ないと性格が悪くなるな精市」

「俺は只詩織には笑顔で居てもらいたいだけだよ…みんなだってそうだ」

「そうだな。では放課後みんなに話してみよう」


ごめんね近藤さん…?

俺達のために利用されてね…







「マネージャーを増やす?」

「それで詩織が呼び出されなくなるなら俺は良いぜ!」

「俺もじゃ」

「私も」

「俺も」

「…」

「赤也。君は?」

「……お、俺も良いっすよ!」


全員一致…詩織、これで君は虐められなくなるよ

これで良いんだ…これで


「それじゃあ早速俺が誘ってくるよ」

「大丈夫なのかよ幸村君」

「俺に任せてよ」

「幸村が誘えば誰も逆らえんからのう」

「どういう意味だよ仁王」












「真田副部長」

「なんだ赤也」

「本当に良いんすか?他の人を利用して詩織先輩を助けるなんて」

「幸村は言い出したら聞かんからな」

「…」

「赤也は不満なのか?」

「少し…もっと他に良い方法なかったのかなぁって」

「では幸村に言ってみれば良いだろう」

「む、無理無理!俺殺されるっすよ!」

「…だからだ」

「え?」

「俺達は只見ているしかないんだ」

「…」




全ては、ここから狂いだす
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -