切原君もやっと宗助さんから解放されて二人で部室に戻った

でも、中に入ると険悪な雰囲気でまた恐怖感が出てきた


「ど、どうしたんすか?先輩達…超ご立腹な感じが…」

「…赤也の隣に居る奴のせいでのう…」

「ぇ…椿先輩が何か…?」

「詩織さんの好きな方を横取りするとは…最低な方ですね」

「!」

「全くだぜぃ。反省してんの?」

「詩織を応援すると言っておいて…とんだ猫かぶりだな」

「っ…」

「詩織、まだ戻ってこないんだけど…どうするの?」


何も言えない…

本当は、違うのに…あの人は私の兄さんだって言いたいのに…怖くて声が出ない


「そ、そんな…先輩が詩織先輩の好きな人取ったってなんで言いきれるんすか?」

「昨日見たんだよ。近藤さんと詩織の好きな人が楽しく話してるのを」

「た、たった話してただけじゃないっすか!それだけじゃ取ったとは」

「赤也…何故そこまで近藤の味方をする?」

「えっ」

「そうだぞ。大体お前は詩織の事何とも思わねぇのかよ」

「そ、そんな事言ってないっす!でも明らかに先輩達椿先輩を悪者にしてるんで」

「そいつが悪い事するからだろ!」


精一杯切原君が私を庇ってくれてるけど…このままじゃ切原君が…

じゃあどうすれば良いの?謝れば良いの?どうしたら良いの!


「先輩達少し冷静になってくださいよ!」

「詩織泣いてたんだぞ!?冷静になってられるか!」

「椿先輩だって泣いてたんすよ!」

「…だから?」

「え」

「、」

「彼女が泣いてたから何?」

「だ、だから…ちょっと言い過ぎた、とか…思わないの、かな…って」

「思わないよ。彼女が悪いんだから」

「そんなっ!」


彼等にとっては私は邪魔者。只の日向さんの代わり

でも…ここまで…いくら何でも傷つく


「…ごめんなさい…」

『?』

「…今から日向さんを探して謝ってきます…」

「なんじゃそのいい加減な言い方」

「椿先輩…」

「…私が謝れば良いんですよね…?」

「土下座でね」

「…」

「…」


幸村君は私の事大嫌いみたい

今の彼の表情は怖いもの。まるでゴミを見るかのような目

ここで私が怒っちゃいけない。我慢しなきゃ

私は部室から出て日向さんを探す事にした


「…近藤?どうしたんだ?」

「真田君。日向さん見かけなかった?」

「いや」

「私日向さんに謝らないといけないの」

「なぜだ?」

「…日向さんの好きな人取っちゃったから」

「っ、しかしその人はお前の!」

「良いの…日向さんの気持ちわかってあげないで勝手な事した私が悪いんだから」

「近藤……幸村達か?」

「…」

「たるんどるっ…近藤の話も聞かずに」

「何も言わないで、真田君」

「しかし!」

「真田君まで何か言えばみんなの仲悪くなっちゃうかもしれないし…私のせいでそんな事させたくない」

「近藤」


私が謝れば済むんだったら私はいくらでも謝る

全部私のせいなら


「日向さんどこ?」


3階にも居ない…1階かな?

階段を降りてる途中、

「はぁ……っ」


ドンッ


「…え」


グラッと自分の身体が浮く

誰かに背中を押されたんだ…そう思ったときは既に遅く

ドッ--ドサササッ!!

私は階段から落ちて頭を打った


「…ぅ…」


かすむ視界に移る女子の足…

誰…?

私はそこで意識を失った





「はぁ…先生も人使い荒いわほんま…………え…椿…?椿!!!」

「…」

「ちょっ…だ、誰か!!誰かあああ!!はよ来てええ!!」

「宝月、声を荒げてどうした……」

「先生!!椿が!」

「近藤!?何があったんだ!」
















「幸村…どういう事だ」

「何が?」

「近藤の事だ。なぜ近藤の事だけ邪険にする」

「彼女が悪いから。詩織の好きな人取っておいて反省の色もないんだ。ふざけてるだろ」

「…幸村…日向の好きな相手なのだが」

「?」

「あの人は近藤の「大変っす!!真田副部長!」

「…どうした赤也」

「…っ、椿…先輩、が…!!」


どこで道を間違えてしまったのだろうか

誰にも分らない。真っ暗な道へと誘ってしまったのだ


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急展開過ぎた…OTL
さぁ誰が椿を落としたか…皆様推理してください←
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テーマ「人外ファンタジー」
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